【8月最新版】データで見る「各欧州航空会社のストライキや運行状況」英評価会社による見解と分析

VV Aviation
【8月最新版】データで見る「各欧州航空会社のストライキや運行状況」英評価会社による見解と分析
(画像はイメージです/PIXTA)

欧州の航空会社におけるストライキや運行状況に関する2022年8月の最新情報を、航空機及び船舶のデータをオンラインで提供する英国の評価会社VV Aviation (VesselsValueブランド)が同社の調査データに基づき分析、解説する。

パンデミックによるルートへの影響

2019年と2022年の最初の6ヵ月間のルートを比較すると、そこには明確な変化が見られる。

 

図2を見ると、2019年のブリティッシュ・エアウェイズのトップルートはロンドン・ヒースロー空港発バルセロナ行き、イージージェットはロンドン・ガトウィック空港発アムステルダム行き、ライアンエアーはロンドン・スタンステッド空港からリスボン行きだった。

図2:2019年の航空会社別トップルート
図2:2019年の航空会社別トップルート

 

図2と比較すると、図3では、ブリティッシュ・エアウェイズのトップルートはロンドン・ヒースローからジュネーブへ、イージージェットはロンドン・ガトウィックからジュネーブへ、ライアンエアーのトップルートはロンドン・ガトウィックからダブリンへとなっている。 

図3:2022年の航空会社別トップルート
図3:2022年の航空会社別トップルート

 

図4は、2019年に運航していた路線数を、2022年上半期に運航していた路線数と比較したものだ。

図4:2019年と2022年の運航路線数の比較
図4:2019年と2022年の運航路線数の比較


VV Aviationの航空機飛行履歴データ使用により、上記のようにルートの合理性を可視化することができる。

パンデミック後の需要

図5は、航空会社による2022年1月から6月までの前月比の運航便数を示したものだ。

図5:2022年上半期の前月比の月間飛行回数 
図5:2022年上半期の前月比の月間飛行回数 


2022年最初の3ヵ月間は4月以降の運航便数の増加率が高く、この時点で成長率が減少し、5月にはさらに横ばい、減少した。 

結論

新型コロナウイルス感染症とそれに伴う旅行の低迷は、民間旅客業界に深刻な打撃を与え、混乱の速度と不確実性の規模が業界の雇用に深刻な影響を及ぼした。 いまだその反発はあるようで、(おそらく当然のことながら)スタッフの採用と配置が大幅に困難であることが判明した。

 

業界の回復力を高めるという点では、学ぶべきことがある。特筆すべき点は、景気後退期を乗り切るだけでは十分ではなく、回復期を生き抜くことも同様に重要であるという点だ。

 

著者:Paul Saupe - VV Aviation ADS-B Analyst
日付: 2022年8月

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