多くの中小企業がホームページを開設しているものの、経営者がしっかりと運営に関わっているという企業はごくわずかです。インターネットが日常生活に浸透している現代において、ホームページを活用することは企業の経営に大きな影響を及ぼします。本記事では中小企業におけるホームページの資産的価値や経営者が自社のホームページ運営に積極的に関わるべき理由を、株式会社コウズ代表取締役の浜野耕一氏が解説します。

放置されているホームページの現状

現在はあらゆる人がインターネットで情報を収集して、購入する商品や求人に応募する企業を決めています。意思決定をするまでのプロセスの中で、ホームページは重要な役割を占めます。

 

かつては単なるPRツールと思われてきたホームページも、今や集客や採用、アフターサポートなど、幅広い領域で成果を出すことができます。ホームページをうまく活用すれば、リソースが不足する中小企業ほど大きく業績を伸ばすことが可能です。

 

にもかかわらず、ホームページは業績に直結しないと考える経営者は多いのが実情です。少し古い資料ですが、2013年の中小企業白書には小規模企業におけるホームページの開設の有無と販売先数の変化についての調査が掲載されています。

 

この調査によると、小規模企業で5割弱、中規模企業で約8割が自社ホームページを開設しています。しかしホームページを開設した企業で販売先数が「変わらなかった」と回答した割合が51.3%にものぼりました。

 

つまり、半分以上の企業がホームページを開設しても何の効果もなかったということになります。

 

ホームページを開設しても効果が上がらない大きな原因は、ホームページを作ってそのまま何も改善していないことです。

 

私が設立した制作会社では、年間に300社以上の新規のお客様に契約いただいていますが、300社のうちほとんどが既存のホームページを更新していませんでした。作ったまま放置された状態だったのです。

 

私はいつも経営者のみなさんに「ホームページは、継続した改善なくして成果が出ることはない」とお話しています。

 

もちろん最初の段階でホームページをしっかりと作りこむことは大事です。しかし、それ以上にホームページに訪れる人の行動について理解を深めるということが、問い合わせや購入といった成果を上げる上で非常に重要です。

 

訪れる人がそのページを見てどんな感情を持つのかを予測し、問い合わせページなど成果につながるページにたどり着くための導線を改善しなければなりません。

 

私がホームページを改善することがどれほど重要かをお話すると、ほとんどの経営者は「私たちの会社はITが専門ではないですし、改善の方法なんてわからないですよ」と言います。

 

しかしどうやってホームページを改善すれば成果が出るか、答えは制作会社の中にあるのではなく、自社の中にあります。どのような情報を届ければ、訪問者の購入意欲を高めることができるのか、自社に合った人材が応募してくれるのか、それはビジネスの本質を理解する企業でなければわかりません。

 

企業が自ら試行錯誤をしてノウハウを積み上げるからこそ、競合企業が真似のできない業績が上がるホームページになるのです。

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※令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成