「年のせい」だけではない…「頻尿」は恐ろしい病気のサイン【専門医が解説】

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「年のせい」だけではない…「頻尿」は恐ろしい病気のサイン【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不整脈のなかでも患者数が多い「心房細動」。心房が痙攣したように細かく震え、十分に機能しなくなる病気です。実は、この心房細動が「脳梗塞」を引き起こすことがあるのをご存じでしょうか。今回は、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が「心房細動」の症状と原因、それに起因する「脳梗塞」について解説します。

国内患者数およそ200万人…「心房細動」とは

「心房細動」とは文字通り、心房内に流れる電気信号が乱れたことによって起きる不整脈の一種です。心房が痙攣したように細かく震え、血液を全身に送り出すことができなくなります。日本国内で行われた調査を考慮すると、2022年の段階で患者数は200万人を超すと推測されます(※)。

(※)Ohsawa M, et al. J Epidemiol. 2005; 15:194

 

心臓は4つの部屋に分かれており、上の部屋は心房、下の部屋は心室と呼ばれています。心臓は心房と心室が連携を保ちながら、収縮と拡張を繰り返すことで、全身へ血液を効率よく送り出しています。

 

心臓の拍動を作るのは、右心房のうえのあたりにある「洞結節」という組織。ここから、1分間に60~100回の電気刺激が、規則正しく送られています。

 

心房細動になると、電気信号が無秩序に速くなり、正常時の心拍数が60~100なのに対して200近くになることもあります。そのため心房が痙攣したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなってしまうのです。

[図表1]心房細動の状態

 

自覚症状は「動悸、息切れ、めまい」

心房細動になると、いったいどのような自覚症状があるのでしょうか。まず症状として挙げられるのが、「動悸、息切れ、めまい」です。

 

心房細動になると心拍数が上昇し、心臓から血液を送り出す量が減少するため、体を動かしたり階段を登ったりしたときに激しい息切れや強い動悸を感じます。また、横たわっているだけでも肥大した心臓の重量に胸が圧迫され、息苦しさを感じることも増えてきます。

 

しかし、すべての人に自覚症状があるわけではなく、このような症状がまったくない人もいます。健康診断や人間ドックなどで心房細動を指摘され、初めて気づく人も少なくありません。

 

心房細動に由来する「頻尿」もある

意外なことに、心房細動になると排尿回数が増えることもあります。

 

心房細動発作を起こすと、ANPという心房性ナトリウム利尿ペプチドというホルモンが大量に分泌されます。このANPには利尿作用があるため、心房細動の発作中や発作後に、頻繁に排尿するようになるのです。

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。