野村不動産ソリューションズの流通事業本部は首都圏、関西、名古屋の重点エリアに店舗を配置し、その地域のお客様のあらゆる不動産ニーズにお応えする、地域密着型の営業に特化しています。不動産市場に、今回のコロナはどのような影響を与えたのか。またアフターコロナの不動産市況においてお客様はどのようなことを注視して不動産取引をしているのか。野村不動産ソリューションズ株式会社 執行役員 流通事業本部 第一営業統括部長の庄原和紀氏が解説します。

お客様の多様な不動産ニーズに最適な提案

野村不動産ソリューションズは、設立20周年にあたる2021年4月、野村不動産アーバンネットから社名を変更して新発足しました。社名変更と同時に、野村不動産アーバンネットと野村不動産法人営業本部の2社体制で行っていたリテール事業とホールセール事業(法人仲介事業)を統合し、「総合不動産仲介会社」として1社で個人から法人までワンストップでサービス提供できる体制を整えました。           

 

野村不動産ソリューションズは3本部体制で構成されています。主として上場企業や未上場大手企業を対象とする「法人営業本部」。中堅・中小企業やオーナー企業、個人投資家を対象とする「パートナー営業本部」。そして、首都圏・関西・名古屋の重点エリアに店舗を配置し、その地域のお客様の居住用不動産など実需をはじめとしたあらゆる不動産ニーズにお応えする、地域密着型の営業に特化した「流通事業本部」です。

 

流通事業本部は居住用不動産の売買仲介をメインに行いますが、エリアによってはその地域で事業を営む企業経営者や富裕層の方もたくさんいらっしゃいます。そのため住宅以外の事業用不動産、投資、相続・事業承継、M&Aなど多種多様なニーズがあり、そうしたニーズが一定以上ある大都市圏には基幹店を設置し、その中に「コンサルティング課」を配置しています。

 

コンサルティング課は、地域内および地域から派生するあらゆる不動産ニーズをワンストップで扱う、住宅のみならず投資用・事業用不動産にも精通した専門部隊という位置づけになります。お客様のご相談内容に応じて、基幹店内の実需を中心に扱う営業課や、本社の関連専門部署、他店舗などと協業して問題解決にあたる体制をとっています。

富裕層の資産承継はコロナ禍でも粛々と進んでいる

国内の繁華性のあるエリアにまとまった不動産をお持ちの企業経営者や地主の方、いわゆる「富裕層」の方々が多数いらっしゃいます。一般的に「富裕層」と呼ばれている方々は、純金融資産5億円以上の「超・富裕層」と、同1億円~5億円 の「富裕層」、同5000万円~1億円以下の「準・富裕層」 の3つに大別されます。

 

富裕層の方々はそれぞれのフェーズごとに異なる課題をお持ちです。超・富裕層、富裕層の方々においては保有資産の安定的な稼働(事業としての安定性、資産のポートフォリオの適正性)が課題となり、ビジネスパートナーも含め各所に業務を委託するなど、人的なサポートを得る機会にも比較的恵まれていると思います。一方、準・富裕層の方々は超・富裕層、富裕層に比べ数が多く、かつ保有資産規模がそこまで大きくないため、資産の規模拡大や管理、運用を含めて十分な周囲のサポートが得られていないケースがあり、多くの課題を抱えていらっしゃると感じます。 

 

コンサルティング課は、超富裕層、富裕層の皆様から準・富裕層の皆様まですべての方の「痒い所に手が届く」サービスをご提供したいと思っています。 地主様・ビルオーナー様や企業経営者のお客様のニーズに積極的に対応し、あらゆる課題に最適な解をご提案できる知識と経験を持ったスタッフを配置しています。地域密着だからこそスタッフの経験と力量がさらに生きてくる 領域がいわゆる「富裕層」の皆様の課題解決と考えています。

 

スタッフの力量に加え、弊社がもつ圧倒的な情報量もお客様の期待に応える大きな強みです。野村證券や各地域の90超の金融機関(地方銀行、信用金庫、信用組合など)と業務提携し、深い関係性と信頼関係を構築することで、より鮮度の高い多様な情報提供やお客様のご紹介等をしていただいています。

 

また弁護士や会計士といったライセンサーとの協業も強みです。加えて昨年4月の事業統合により法人からリテールまで全社一体的な情報共有が可能になった結果、情報の量・質が向上し、以前より取引機会が増加しました。

 

われわれコンサルティング課は、お客様から 「資産のリスク分散」や「最適ポートフォリオの構築」「相続・事業承継対策サポート」というご相談を頻繁に頂きますが、それらのご相談一つ一つはどれも紋切り型で対応できるものではなく、課題は多岐にわたります。そうした中でお客様に寄り添いながら、課題の本質を一緒に紐解いていくことで 「真のニーズ」を顕在化させ、解決に努めています。

 

昨今はコロナ禍の影響か、お客様のニーズにもやや変化が感じられます。目先や将来に不安を感じて 、不動産投資などの資産形成、ポートフォリオの見直し等をはじめる方が増えている印象があります。相続や事業承継を見据えた事前対策、相続後の手続き、次の承継準備へというニーズです。

 

不動産に関しては、本業の補完と相続に備えた不動産投資や換金、共有状態の解消、そしてコロナをはじめとした社会不安や情勢の変化に耐えうる安定的な資産寿命の長い物件の取得や組み替えをご要望されるケースがより顕著になったと感じています。コロナ禍でじっくりと考えられる時間ができたことも影響しているようでご関心が非常に高く、実際にアクションを起こされる方が増えています。

「総合不動産仲介会社」ならではの強み

お客様の中にはこのコロナ禍においても本業が順調であったり、株価の値上がりの影響だったり、といった背景から積極的に投資用・事業用不動産への追加投資を検討している方もいらっしゃいます。その中でお住まいや事業を営んでいらっしゃるエリア以外の不動産売買をご検討される方も多数いらっしゃいます。

 

このようなお客様のご要望や課題に対して、ご相談いただくコンサルティング課自らが独自の幅広いネットワークやノウハウを駆使してご対応させていただくとともに、関連する各地域の流通事業本部の店舗やコンサルティング課同士、そして本社のパートナー営業本部や法人営業本部とも緊密に連携をとるほか、ときには専門チームを組成して最適なノウハウや情報といったベストソリューションの提供を行うこともあります。野村不動産ソリューションズ1社体制の「総合不動産仲介会社ならでは」の強みを最大限生かした取り組みです。

 

その中で、特に地域での最初の窓口となるコンサルティング課は重要な役割を担っている自負があります。幅広い知見、税務、保険、金融商品、難易度の高い不動産を着実に取引できる不動産の専門スキルや経験に加えて、経済や世の中の動向に関する幅広い知識、社内外を問わず適切な人脈を持っていることが必要とされます。そのため、お客様の高いご期待に応え得る「人材育成」にも力を入れています。

 

人材強化の一環としては、地域特性の違うコンサルティング課間での人材ローテーションや流通事業本部の店舗で多様な取引実績を積んだ経験値の高い社員、専門性の高い他本部経験者の配属も行っています。また、日々の実務経験に加えて総合的な仲介力・課題解決力アップのための学習機会などをますます増やして行く予定です。

 

お客様ごとに課題は異なり、最適解は変わります。総合不動産仲介会社のワンストップサービス「窓口」として、各地域の専門性高いコンサルティング課を是非お気軽にご利用ください。


お問い合わせ先
野村不動産ソリューションズ
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庄原 和紀
野村不動産ソリューションズ株式会社 
執行役員 流通事業本部 第一営業統括部長

取材・構成/田之上 信
※本インタビューは、2022年2月10日に収録したものです。