(※写真はイメージです/PIXTA)

世間からすると、医師は「一生安泰の職業」というイメージが強いでしょう。しかし医師のキャリアプラン、ライフプランに詳しい大山一也氏は、多数の医師と接してきた経験から「ブラックな職場環境や激務などによって毎日つらい思いをし、安泰とはとても感じられないのではないか」と指摘します。今回ご紹介するのは「研修医あるある」。世間が思うよりずっと厳しい、医師の実情とは? なお、ここでいう「研修医」とは、2年間の研修を受ける初期研修医とその後3~6年の専門医研修プログラムを受ける専攻医を合わせたものとします。

研修医あるある④現場スタッフとの関係維持がハード

病院のスタッフは、当然ながら医師だけではありません。看護師、臨床心理士、理学療法士、言語聴覚士、診療放射線技師、臨床工学技士、助産師、栄養士、調理師、臨床検査技師、薬剤師、医療事務…。一般人である私たちでは聞いたこともない職種の人たちが大勢働いています。

 

研修医は、これらほぼすべての人たちと関わることになるので、円滑な人間関係を構築する気配りは欠かせません。

 

特に日常的に接点の多い看護師との関係に気を使っている研修医は少なくないようです。

 

看護師は病院内で最も人数が多い職種であり、一般的には副院長まで上り詰めることができます。したがって、研修医だけでなく多くの医師が「嫌われたら仕事がしづらくなる」と考えているのではないでしょうか。

 

また看護師は、比較的女性が多い職種といえます。そこである男性の研修医から特に恋愛関係に気をつけているという話を聞きました。

 

彼は研修医になってすぐに年上の女性看護師から付き合っている人の有無をそれとなく聞かれました。そして、気軽に「大学3年からいません。でもこんなに忙しいなら当分できませんね」と答えたそうです。

 

すると数日後、その看護師から複数人で食事に行こうと誘われました。研修医になったばかりで慣れない毎日。しかも年上の看護師からの誘い。断れるはずがありません。そこで会場のお店に行くと一人だけ若手の女性看護師も参加していました。

 

お酒が入ってくると年上の看護師たちから「二人はお似合いだ」といった話ばかり。彼は本当にそのときは仕事に集中したかったので、それを正直に伝えると、翌日からなんとなく看護師たちの態度が冷たくなり、再び気軽に世間話ができるようになるまで2ヵ月ほどかかったそうです。

 

研修医の期間は、医療の知識や技術を身につけるだけでなく、人格者になるためのプロセスでもあります。このプロセスには、さまざまな職種の同僚と円滑な人間関係を維持することも含まれるのでしょう。

次ページエリート街道を突っ走ってきた人ほど…

※本連載は、大山一也氏の著書『研修医のための金融リテラシー講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

知らないあなたは将来損をする! 研修医のための金融リテラシー講座

知らないあなたは将来損をする! 研修医のための金融リテラシー講座

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

「医師になったらお金の心配はいらない」なんてウソ! 「医師になれば一生安泰」。世の中のほとんどの人がそう思っているはずですが、現実はブラックな職場環境や激務などによって毎日つらい思いをし、安泰と感じている研修…

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