(※写真はイメージです/PIXTA)

データを使って投資戦略の有効性を確認し、でき上がったプログラム=botを、仮想通貨取引所のシステムに載せて自動で運用させる……。仮想通貨で日給300万円もの稼ぎを生み出しているrichmanbtc(リッチマンビーティーシー)氏。本記事では、「試行錯誤の日々」そして「稼げるようになった理由」を、赤裸々に明かしていく。

板情報の影響が…頭を抱えながら情報収集をしていると

バックテストとフォワードテストの乖離のポイントは、①元データの違い、②特徴量の違い、③シグナルの違い、④約定の違い(取引所によって価格変動にタイムラグが生じる)です。

 

①②③はバグとして扱い、④はコストとしてモデル化しました。それでもどうしても解決できない課題として、値動きによってbotが注文を入れたとしても、約定は〝先に入っていた指値注文〟が優先される早いもの順なので、自分の取引が成立しないまま価格が動いてしまう、といった問題がありました。

 

例えば価格があるパターンを経て「いったん101円まで下がり、そこから103円まで上昇する」というシナリオを予測したとします。パターンに合致した瞬間にbotは101円に〝買い〟の指値注文を入れるのですが、その時点で他の投資家の指値注文があって、自分の注文は行列の一番最後に入ります。そして順番が回ってこないまま、価格は反転上昇していってしまうのです。

 

利用者の少ない取引所なら比較的早く順番が回ってきますが、そうすると今度は動かせる金額が小さくなります。分足など価格の変動データだけでは、検証できない現実です。

 

ビットコインの値動きを観察していると、板情報(Quotes=投資家が入れた指値の注文状況)が強く影響していると思えてなりませんでした。トレーダーの大多数は板情報を見てトレードしているので価格に影響しないはずがないのですが、データの取得に少し手間がかかるので分析対象とする人が少ないのでしょう。

 

私が自分でデータを蓄積→機械学習で分析し、板情報を生かしたストラテジーが構築できれば独壇場になるかもしれません。板情報の問題には最後まで苦しめられました。Jupyterによるバックテストと、少額の資金を動かしてみるフォワードテストの乖離がなかなか埋まりません。

 

なかなか結果が出ない中、解決策を探して情報収集する中で、勝っているbotterの多くがbitFlyer(ビットフライヤー)という取引所を使っていることを知りました。そこで自分もすぐに口座を開設して、これまで使っていたストラテジーをそのままbitFlyerに移植して動かしてみました。すると、いきなり利益が出るようになったのです。

 

読者の皆さんは「同じビットコインを同じストラテジーで取引しているのに、取引所が変わるだけで利益が出たり出なかったりするものか」と不思議に思われるかもしれません。ですが、実際にこういうことがあったのです。考えられるのは「手数料体系の違い」と「刻み値の幅の違い」が私に有利に働いたということです。順を追って説明します。

次ページ取引所を変えたら利益が出せた「理由」

本記事は書籍『日給300万円のSS級トレーダーが明かす botterのリアル』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、再編集したものです。

日給300万円のSS級トレーダーが明かす botterのリアル

日給300万円のSS級トレーダーが明かす botterのリアル

richmanbtc(リッチマンビーティーシー)

幻冬舎MC

「botter(ボッター)」になれば、月収1億も夢ではない。 過去の価格データをコンピュータに読み込ませ、AIによる機械学習で〝勝てる投資戦略〟を探し出す。それに基づいて発注するプログラム〝bot〟を作り、仮想通貨の取引…

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