2020年に突如として世界を襲った新型コロナウイルスの猛威はいまだ収束を見込めていませんが、それは「投資するべき国No.1」にも選ばれたフィリピンでも同じこと。ワクチン接種の進展により、徐々に回復基調が鮮明になってきました。世界の投資家が注目するフィリピン株式市場について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がレポートします。

フィリピン・ユニコーン上場企業が国際的指数に採用

昨年ユニコーン上場として注目されたブロードバンド通信の「Converge」が、ロンドン証券取引所が算出する国際的な指数FTSE renaissance IPO indexとFTSE ASEAN all share indexに採用されたことにより、世界の機関投資家からの投資が入ってくることになり、株価の底上げが期待されます。

 

同じく昨年上場した食品メーカー「Merry Mart」の主要株主である「Injap」のロックアップ期間が終了しました。「Injap」は「Merry Mart」の約60億株を保有しており、市場での取引が可能になりました。

 

そして最後に、昨年の「AREIT」の上場から始まったフィリピンREITですが、700億ペソ近くの上場候補が準備されています。「FLI」や「RLC」、「Megaworld」は今年中にREITの上場を目指しています。「FLI」は8月の第1週までに、「RLC」は9月の第3週までに、「Megaworld」はまだ発表されていませんが、それぞれREITのIPOを予定しています。

 

昨年がフィリピンのREIT元年で、現在「アヤラ」と「ダブルドラゴン」の2本のREITが上場されていますが、マニラ、セブを中心に、不動産ディベロッパーによる都市開発事業は、長年に渡り堅調なため、多くの大手ディベロッパーがREIT上場を準備しています。

アフターコロナを見据え…増配が予想される企業

主要企業の業績予想ですが、2021年は50%程度の増益が予想される力強いものとなっています。集団免疫が達成される2022年にはさらに強い成長が見込まれています。過去10年間でGDPを3倍にしたフィリピン経済の本来の姿が戻ってきます。特に大きな増益が予想されているのが「アヤラランド(ALI)」。118.1%増です。

 

2020年のロックダウンのピーク時に、すべてのモールが閉鎖され、オフィスも閉鎖され、一部のテナントの支払いも滞っていました。また、テナントに対して家賃の1~2ヵ月分を免除するなどの救済措置を講じていましたので、その反動での増益です。

 

そして、「ICT」は2021年は580%増益です。同社は国際的な港湾管理会社ですので、世界経済の回復の回復から大きなベネフィットを享受します。日本の海運株もかなり値をあげています。

 

1週間のフィリピン株の動きを見てきましたが、ワクチン接種が進むに連れて、株価の戻りが鮮明になってきました。もともと経済のファンダメンタルズ、成長ポテンシャルの高い国ですので、コロナの影響が薄れていく中、従来の7~8%程度の経済成長率に戻っていくものと考えられます。

 

また、来年は選挙イヤーでドゥテルテ大統領の任期も終盤にさしかかってきますので、政策の目玉であるBuild Build Build Link Link Linlkの交通インフラ整備を急ピッチで進めていき、これも景気への大きなテコ入れになります。また、フィリピンの主要産業であるBPOは世の中のDX化の流れの中で、成長を加速していますので、フィリピン経済へのより大きな貢献が期待されています。

 

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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