ワクチン接種が進んでいるフィリピンですが、コロナ感染の拡大は続き、株式市場では下降バイアスのかかった取引が続くと予想されています。このような状況のなか、取るべき投資戦略とは? 現地で日々フィリピン経済を調査している一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

フィリピンの「GDP成長率」下方修正へ

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先週の米国市場は、労働省が発表した雇用統計が好調だったため、「DOW」と「S&P」は過去最高値を更新しました。米国の求人数が740万人と2年ぶりの高水準となりました。また、パウエル議長がインフレに関するコメントを発表し、今年のインフレ率の上昇は一過性のものに過ぎないと述べたことで、年内の利上げに対する懸念が和らぎました。

 

フィリピンの経済ニュースですが、「S&P」「フィッチ」「世界銀行」などの機関が、今年のフィリピンのGDP成長率の見通しを下方修正しました。これは、ワクチンが入手可能であるにもかかわらず、COVID患者が急増しているためです。

 

フィリピン財務省は、今年のフィリピンのGDP成長率は予想よりも低くなるとしています。フィリピン経済の約50%以上を占めるマニラ首都圏は、より厳しいECQ(Enhanced Community Quarantine:強化地域検疫)の対象となっており、GDP成長率が約半分になる可能性があるということです。

 

現在の感染者数は15万人を超えています。フィリピンにおけるワクチン接種の状況は、約90万人がワクチンを接種し、これはフィリピンの全人口の約0.9%に相当します。しかし先に述べたように、政府はマニラ首都圏で2週間のECQ実施を決定しました。またその期間中の1日の感染者数は平均して1万人弱でした。その結果、病床逼迫の状態が続いているのです。また、この1週間で死亡者数が急増しています。

 

3月のフィリピン製造業PMIは52.2と増加しました。これで3ヵ月連続でPMIが拡大したことになります。しかし、4月はまた、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)の実施を考慮すると、厳しい数値が予想されます。

 

議会は第3次景気刺激策を可決するための特別議会の招集を要請しました。3月のインフレ率は4.5%となり、3ヵ月連続でフィリピン中央銀行(BSP)の目標値である4%の上限を突破したことになります。最後に、ドゥテルテ大統領が豚肉の輸入関税引き下げを承認しました。これにより、今後のインフレの減少が期待されます。

 

今後の主なイベントとしては、貿易収支が4月19日、マネーサプライが4月30日に発表されます。

 

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