十分な睡眠時間をとっていても、疲れが取れない、日中に眠くなるという方は少なくありません。もしかすると、日々の生活習慣が影響を及ぼしている可能性もあるため、要注意です。スタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が、専門家の見地から良質な睡眠を得る方法を解説します。※本記事は、『眠れなくなるほど面白い睡眠の話』(日本文芸社)より抜粋・再編集したものです。
朝のコーヒータイムは、目覚めに効果的だが…
●日中をすっきりすごす秘訣
コーヒーなどに含まれるカフェインには、アデノシンという脳内物質の働きを妨害する作用があります。アデノシンは睡眠物質のひとつと考えられていて、覚醒作用のあるヒスタミン神経などを抑制し、睡眠を促すものです。
カフェインがアデノシンの働きを妨害することで、ヒスタミンが放出されやすくなり、脳を覚醒させるのです。また、カフェインは代謝を上げたり、血行を促進したりするともいわれます。
朝のコーヒータイムは、目覚めに効果的です。家族と話しながら飲むと、会話による刺激もくわわり、相乗効果が期待できます。
自宅でゆっくりコーヒーを味わう時間をとれない場合、自動販売機で購入するのではなく、カフェでテイクアウトするのがおすすめです。注文時のちょっとした会話による刺激が、覚醒度をより向上させてくれるでしょう。
一方、眠る前にカフェインをとるのは要注意です。実際、就寝1時間前と3時間前に、カフェイン入りコーヒーを1杯ずつ飲むと、寝つくまでの時間が10分ほど長くなり、睡眠時間は30分ほど短くなるという報告があります。
血中のカフェイン濃度が半分になるまで、4時間ほどかかるともいわれます。眠る前にコーヒーを飲みたくなったときは、デカフェ(カフェイン抜き)のものを選んだほうがよさそうです。
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医師、医学博士
スタンフォード大学 医学部精神科 教授
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長
日本睡眠学会専門医、米国睡眠学会誌、「SLEEP」編集委員
日本睡眠学会誌、「Biological Rhythm and Sleep」編集委員
1955年、大阪府出身。大阪医科大学卒業。1987年、大阪医科大学大学院4年在学中、スタンフォード大学精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。2000年にはナルコレプシーの発生メカニズムを突き止めた。2005年にSCNLの所長に就任。2007年、日本人として初めてスタンフォード大学医学部教授となる。
睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。
33万部のベストセラーになった著者の初作、『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)は、10ヵ国語に訳され、世界中でも広く読まれている。2020年9月に文藝春秋より刊行された『スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術』。スタンフォード大学教授だからこそ発信できる希少情報が話題に。
コロナから3年、最新のデータを踏まえ、改めて睡眠を語る最新作『スタンフォードの眠れる教室』(幻冬舎)、2022年4月、好評発売中。
※西野教授の理論をもとに開発された枕も好評。「BRAIN SLEEP PILLOW」
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連載スタンフォード大学医学部教授直伝!すぐ試せる「良質な睡眠」をとる方法