本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

総じて堅調な米中株式市場

2月までの上昇率は中国が米国を大きく上回る

 

■年明けから世界的に株式市場は概ね堅調に推移しています。米国株式市場も総じて堅調ですが、主要国/市場で大きく上昇したのは中国株です。代表的な株価指数のMSCI中国は2月22日現在で+13.4%と、S&P500種指数の同+3.2%を大きく上回っています。

拮抗する米中の利益成長率

本格化する経済回復

 

■米国では大型の景気対策への期待が強く、世界的な金融緩和も持続する見通しの中、企業業績の大幅改善が期待されます。2021年のS&P500種指数の予想利益成長率は前年比+24.0%と前年からのリバウンドもあり、高い成長率が期待されます。一方、いち早く経済が回復基調となった中国も同+17.5%と高い成長率が期待されています。両国とも2022年も高い成長率が続く見通しです。

ともに利益成長が期待され、米中株式市場は堅調な展開を予想

■2月10日に米中首脳会談が行われました。基本的人権問題では対立したものの、気候変動などの広範囲な領域での米中両国の協力について言及されるなど、融和的な面も垣間見られます。両国の競争は激化するとしても、ともに成長する構図は変わらないと判断されます。上位5セクターの時価総額ウエイトと利益成長率から米中を比較すると、米国は主力の情報技術の成長率が引き続き堅調です。中国の情報技術の成長率も高いのですが、ウエイトが小さく、業績のけん引役としてはやや力不足です。両国ともにウエイトの高いコミュニケーション・サービスは中国の成長率が米国を上回り、中国最大のウエイトの一般消費財・サービスの成長率は米国とほぼ拮抗しています。今後はワクチンの浸透に応じて、時間の経過とともに景気拡大の確からしさが高まる見通しです。人の移動も活発化すると期待され、一般消費財・サービスの利益成長にけん引され、米中株式市場は堅調に推移すると予想されます。

 

(注)データは2019年~22年。20年は実績・予想、21~22年は予想。前年比。時価総額ウエイトは上位5セクター(2月22日)。利益は1株当たり予想利益。予想はFactSet。単位は%。中国はMSCI中国、米国はS&P500種指数。中国は人民元、米国は米ドルベース。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
中国、米国の上位5セクターの時価総額ウエイトと利益成長率 (注)データは2019年~22年。20年は実績・予想、21~22年は予想。前年比。時価総額ウエイトは上位5セクター(2月22日)。利益は1株当たり予想利益。予想はFactSet。単位は%。中国はMSCI中国、米国はS&P500種指数。中国は人民元、米国は米ドルベース。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『ともに利益成長が期待される米中株式市場』を参照)。

 

(2021年2月25日)

 

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2021年2月19日 オンリーNASDAQから解放される世界の株式市場

2021年2月15日 幅広い投資の選択肢が見つかる『中国の株式市場』

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