ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

SEOで順位を維持するには手間と費用がかかる

●不正リンクが影響して検索結果から消えてしまう

 

SEOに必要な金額を知ると、どうしてそんなにかかるのか、一体何をしているのだろうかという疑問が湧いてくるのではないでしょうか。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

SEOには大きく分けて2つの方法があります。地味だけれども間違いのないのが、サイトのコンテンツを充実させるという方法です。殊にテキストを増やしていくほど検索エンジンの目に留まりやすい傾向があり、ブランディング優先でデザインを重視したいサイトであっても、大量のテキストが並んでいたりします。パッと見ると文字ばかりだなとか、字が小さいなという印象のサイトは、おそらくSEOのために見栄えをある程度犠牲にしています。それを見やすくしてしまうと、検索したときに順位が下の方になってしまうかもしれないというジレンマがあります。

 

もうひとつの手段が、ほかのサイトからそのサイトへのリンクを増やすというものです。多くのサイトからリンクされているほど、そのサイトの内容が優れていたり注目度が高いはずだという考え方です。ただグーグルが不正なリンクと判断すると、まったく検索結果に載らなくなったり、ずっと下位の方に順位が落ちてしまいます。今では不正リンクを張っていないか心配して尋ねてくるクライアントも増えています。

 

ですがリンクしているサイト同士の関連性が高く、サイト自体の内容が充実していれば、まず問題になることはありません。ですから自社サイトのテキストを充実させてページを増やすだけでなく、独立したサイトを制作してそこからリンクを張るという方法もあります。毎月テキストを増やしていくにしても、リンクするサイトを新設するにしても、それなりに手間と費用がかかります。そのためきちんとしたSEOで順位を維持するのに毎月何十万円もかかるのは十分に理解できます。

 

●SEO会社は、いつかは検索順位が上がると言い続けるが

 

検索エンジンに関連したウェブマーケティングのサービスでも、リスティング広告だとクライアントにも結果が数字となって目に見えます。広告費をいくら掛けたら、どれくらいのアクセスが想定され、どれくらいの売上が見込めるだろうという仮説をもとに、事業プランを立てることができます。またワンクリックでいくらという明朗会計です。どの広告にいくらかけるかも調整できます。

 

しかしSEOは、いくらお金を投じたからこうなりましたという明確な数字が出てきません。たくさん費用をかけたから上位になるという保証もなく、いつ効果が出るかは検索エンジンしだいです。何位になるか分からないままに、手探りで続けていくので、SEOを軸にして事業のプランを立てるわけにはいきません。

 

後藤 晴伸
後藤ブランド 社長

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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