本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

6月分機械受注(除船電民需)は前月比▲7.6%と2ヵ月ぶりの減少に

 

6月分機械受注(除船電民需)は大型案件0件(前月も0件)

 

製造業は前月比プラスだが、非製造業(除船電民需)は前月比マイナス

 

7~9月期見通しの前期比▲1.9%達成には、各月前月比+1.5%が必要

 

 

 

●6月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲7.6%と2ヵ月ぶりの減少になった。3ヵ月移動平均は前月比▲6.2%で3ヵ月連続の減少になった。また、機械受注(除船電民需)の前年同月比は▲22.5%で7ヵ月連続の減少になった。

 

●機械受注(除船電民需)の大型案件をみると、前回5月分の大型案件は0件であった。今回6月分も0件であった。

 

●6月分製造業の前月比は+5.6%と5ヵ月ぶりの増加だった。6月分の製造業では17業種中、13業種で増加し、減少は4業種だった。

 

●6月分非製造業(除船電民需)の前月比は▲10.4%と2ヵ月ぶりの減少になった。電力業は前月比+2.8%の増加になった。そのため6月分の船舶・電力を含む非製造業全体では前月比▲8.9%と1ケタの減少になった。2ヵ月連続の減少になった。非製造業では、通信業が前月比+11.6%と2ヵ月連続2ケタのしっかりした伸び率になった。非製造業12業種中、5業種が増加で7業種が減少となった。

 

●大型案件は、前回5月分は1件。官公需・地方公務の、その他産業機械であった。今回6月分も1件のみ。その他官公需の、航空機であった。

 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は6月分前月比+2.5%と5ヵ月ぶりの増加となった。前年同月比は▲14.6%と14ヵ月連続の減少になった。

 

●外需は6月分前月比▲3.9%で4ヵ月連続の減少になった。前年同月比は▲33.3%と5ヵ月連続の減少になった。

 

●内閣府の基調判断の推移をみると、19年9月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」という判断に下方修正された。その後10月分ではさらに下方修正され、18年12月分~19年3月分以来の「機械受注は、足踏みがみられる」という判断になった。11月分・12月分・20年1月分、2月分、3月分と、「機械受注は、足踏みがみられる」という判断であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく出た4月分では「機械受注は、足元は弱含んでいる」という判断に下方修正され、5月分では判断据え置きになった。今回6月分では「機械受注は、減少している」という判断に下方修正された。

 

●機械受注(除船電民需)4~6月期の前期比・実績は▲12.9%と4四半期連続の減少になった。4~6月期の前期比見通しの▲0.9%よりは、実績は大幅に下振れた。4~6月期の前期比実績は、見通しに使う達成率の計算方法を変えた09年(平成21年)から昨年までの11年間でみると、見通しと比較して上振れ4回、下振れ7回であり、下振れることが多い四半期であったが、今年もそうなった。

 

 

●機械受注(除船電民需)7~9月期の前期比見通しは▲1.9%である。7~9月期の前期比実績は見通しに使う達成率の計算方法を変えた09年(平成21年)から昨年の11年間でみると、上振れ9回、下振れ2回であり、上振れしやすい傾向がある四半期である。20年(令和2年)の見通しは単純集計値に過去3四半期平均の達成率89.4%をかけたものである。7~9月期の前期比見通しの▲1.9%を達成するためには、7~9月の各月が前月比+1.5%以上で大丈夫だ。一方、各前月比が0.0%なら、7~9月期の前期比は▲4.7%になる。新型コロナウイルス感染症の動向が不透明な中、上振れるか下振れるか、今後の動向については予断を持つことなく注視する必要がありそうだ。

 

 

●景気ウォッチャー調査の設備投資関連・DIの今年の動きをみよう。20年1月の現状判断DIが52.8(同9人)と18年12月分の55.0以来の50超となった。当時の設備投資関連・現状判断DIからは底堅さが感じ取れるようになってきていた。しかし、新型コロナウイルスの影響で現状判断DIは2月34.6(同13人)、3月11.4(同11人)、4月10.0(同5人)へと急落した。その後、緊急事態宣言解除もあり、5月は16.7(同9人)、6月は20.5(同11人)、7月は32.1(同14人)と徐々に持ち直してきた。7月のコメントは概ね「新型コロナウイルスの影響により客先業界で設備投資がなく、売上は厳しい状況である。」(東海、電気機械器具製造業〔経営者〕)のような厳しいものが多い。

 

●一方、設備投資関連・先行き判断DIは19年11月には51.6(同16人)と1月以来の50超に戻ったが、12月は40.3(同18人)、20年1月は35.4(同12人)、2月は36.1(同9人)、3月は21.4(同14人)、4月は18.8(同8人)と弱含んだ。新型コロナウイルスの影響によるところが大きい。5月は26.4(同18人)に、6月は33.3(同15人)に持ち直した。しかし、新型コロナ新規感染者が増加した7月の設備投資関連・先行き判断DIは28.8(同13人)と6月から低下した。7月では「設備投資の中止や、延期、縮小についての、取引先からの連絡が増えている。」(近畿、輸送用機械器具製造業〔役員〕)という厳しいコメントがほとんどだった。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年6月分「機械受注」データの分析』を参照)。

 

(2020年8月19日)

 

宅森 昭吉
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
理事・チーフエコノミスト
 

 

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