今回は、韓国企業とのビジネスで重視される「人間的な関係性」について説明します。※本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。

人との距離が近い韓国人、スペースを保つ日本人

アジアの国の人々は、ビジネス面でも、人間的な関係性を重視することが多いようですが、日本は、比較的その傾向が低いと私は感じています。

 

日本人は人とのスペースを保ち、韓国人は距離が近いという相違点を感じることも、少なくありません。

 

昼間のビジネスでは製品のよさを説明し、とても熱心な部品メーカーの営業マンが、夕方、私が飲みに誘っても、「用事があります」と断ってくることがよくあります。そんなとき、私は「会社で接待しないように言われているのかな」「ビジネス上の関係だけなのか」と、少しがっかりしてしまうのです。

 

韓国企業では会社の規模にかかわらず「会社の行事」がとても多くあります。給料日に皆が集まって会食をしたり、「ワークショップ」と呼ばれる日帰り旅行に行ったりもします。

 

社員同士はもちろん取引先との間柄でも、一緒に飲みに行ったり、カラオケに行ったりして時間を過ごし、人間関係を築くことをとても大切に考えています。

 

日本でも、昔は会社の運動会や社員旅行が、多くの会社で頻繁に行われていたそうですが、効率化やプライベートを尊重する風潮で、廃れていったと聞いています。

 

「仕事時間以外で、飲みに行ったりするくらいなら自分の好きなことをしたい」

「仕事は仕事。わざわざプライベートで付き合うのは時間がもったいない」

 

という気持ちもわかります。

 

でも、韓国とのビジネスに関していえば、仕事から離れた時間で人間関係を築くことは、プラスになることはあれ、マイナスになることは決してありません。なぜなら、韓国では、お酒を飲んで自分を解放して話をしたということで、感情的な関係性が一気に深まるからです。

感情的な絆が深まれば、ビジネスもスムーズに

また、韓国ではお酒の席での言動は、基本的には問われることはありません。

 

日本のように「今日は、無礼講で」と言われても、実際は、飲み会での一挙一動を皆が覚えているようなことはなく、それどころか「二日酔い」という理由で遅刻をしても、「そうだな、たくさん飲んだからな」と許される職場も、少なくないのです。そして、感情的な絆が深まれば、ビジネスでも「なんとかしよう」と思うのが韓国人なのです。

 

お酒を飲めない人でも、飲み会に参加して楽しく過ごす。また、ランチを一緒に食べて仕事以外の話をする。こうして、信頼関係を築いていけば、結果的にビジネスもスムーズになるのです。

韓国ビジネス 53の成功ルール

韓国ビジネス 53の成功ルール

徐 丞範

合同フォレスト

日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が指南する、韓国人とビジネスを円滑に進め、良好な人間関係を築くために知っておきたいポイント。 日本人と韓国人の違いや特性を理解し、お互いの強みを生かせば、私…

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