住宅価格の高騰と、高金利が続く米国の住宅市場。さまざまな弊害が起きていますが、それに対し、民主党所属上院議員が利下げを求める書簡をFRBに送りました。みていきましょう。

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現状の金利を「天文学的」批判。利下げを急ぐよう求める

2024年1月28日、エリザベス・ウォーレン氏をはじめとする4人の民主党所属上院議員は、FRBのパウエル議長に対し、利下げを求める書簡を送りました。

 

書簡のなかで議員たちは「住宅市場の現状と、高金利が住宅へのアクセスと値ごろ感というこの国の根強い危機を悪化させている」と指摘。このうち高金利を招いたのはFRBの金利政策であると批判しました。なかでも2021年には3%台だった30年固定金利住宅ローンの平均金利がピーク時の2023年10月中旬には8%まで上昇したことについては、「天文学的な金利」と表現し、住宅価格高騰に直接的な影響を与えたことを強調しました。

 

最後は「我々はFRBが2024年にフェデラル・ファンド・レートを積極的に引き上げることを撤回するよう強く求める。FRBはすでに利下げの意思を示し、市場もそれに応じた反応を示している」と要求して結びました。

影響力の強いエリザベス・ウォーレン氏を筆頭に、4人が署名

書簡の末尾には、ウォーレン氏に加え、ジョン・ヒッケンルーパー氏、ジャッキー・ローゼン氏、シェルドン・ホワイトハウス氏の署名が添えられました。

 

4人のなかではウォーレン氏が議員としてのキャリアが最も長く、全国区の知名度を誇ることから、各メディアは彼女の名前を見出しにして本件を報じています。ウォーレン氏は金融規制や消費者保護に関して強い発言力を持っており、2020年の大統領選や、消費者金融保護局(CFPB)の創設においても重要な役割を果たしたことで知られます。これまでにも利上げに対して批判的なコメントを行ってきました。

 

ヒッケンルーパー氏もウォーレン氏と同様に、FRBの利上げ政策について懸念を示し続けてきた一人で、2022年10月、2023年1月にもFRBに書簡を送ったことが知られています。その際は今回とは違う切り口で、経済の停滞や失業・雇用減少のリスクの観点から利上げを批判しました。

 

FRBはすでに利下げを示唆していますが、今回の書簡はその実施ペースをさらに早めることにつながるのでしょうか?

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。
本記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。