アメリカのバイデン大統領は、人工知能の扱いに関する大統領令の導入を予定しています。そのなかで注目されているのが「AI権利章典」に関する規定。みていきましょう。

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7月から議論されてきた、AIに関する大統領令

2023年9月27日、バイデン大統領は人工知能の扱いに関する大統領令を、数週間以内に導入する予定であると発表しました。

 

バイデン政権は今年7月にこの大統領令の策定を開始し、大手AI企業7社(Amazon、Anthropic、Google、Inflection、Meta、Microsoft、OpenAI)をホワイトハウスに招集し、 AI テクノロジーの安全、安心、透明性のある開発に向けた要請を行っていました。

 

これまで、大統領令の発令タイミングは明らかにされていなかったため、27日の発表は注目を浴びました。バイデン大統領はこの日の発表で、「AIがどのような可能性を持っているか、どのような危険性があるかという点で、両者の間には大きな違いが存在する。そのため、私はAIに強い関心を持っている。(中略)人工知能がもたらす重大なリスクから人々を守りながら、人工知能の力を善のために活用する方法について主要な専門家を招集しました」とコメントし、アメリカ経済とアメリカ国民の権利にとって重要な議題であることを強調しました。

焦点は、AI権利章典がどこまで厳密に規定されるか

大統領令の具体的な内容についての言及はありませんでしたが、関係者らは「AI権利章典」が導入されるかどうかに関心を寄せています。

 

「AI権利章典」はAIのアルゴリズムによって有害な偏見や差別が助長されることへの危惧から、主に市民社会団体によって必要性が指摘されているガイドラインです。現在、ホワイトハウスのWebサイト上ではAI権利章典の青写真が公開されています。そこでは、信用審査や雇用、医療などのシステムにAIが活用される際に、偏った人物評価がなされるリスクなどが紹介されています。青写真には、こうしたリスクと向き合い、公民権や機会均等、人種的正義などを推進するよう求める文言が含まれています。

 

この思想そのものには多くの人が賛同していますが、アルゴリズムから差別や偏りの可能性を完璧に排除することは困難です。どこまでの厳密性が求められるのか、また違反時にどういった罰則が設けられるのかによっては、AIテクノロジーの進化と活用に逆風をもたらすかもしれません。IT大手企業を中心に、産業界の将来に大きな影響を与えうる大統領令に注目です。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。
本記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。