イギリス・ロンドンのスタートアップ企業・AMPHICO(アンフィコ)は、人間が水中でも呼吸できる「人工エラ」を開発中。数年後には試作品ができる予定です。また、イタリアのアパレルブランド・ストーンアイランドは温度によって色が変わる「アイスジャケット」を販売するなど、これまでのウェアの概念が覆される開発が次々と進んでいます。いま現在、アパレル業界は重大な転換期に差しかかっているといっても過言ではないでしょう。
水生昆虫にヒントを得た「人工エラ」で人間も水中で呼吸できる? サイエンスとデザインが融合したファッションの未来形 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本で推進されている「サスティナブルファッション」

※写真はイメージです/PIXTA
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日本でも「持続可能なファッション(サスティナブルファッション)」を環境省が推進しています。衣服1枚を生産(原材料の調達・縫製・輸送・販売)するにあたり、排出されるCO2は25kg、水は2300ℓが必要だということをご存知でしょうか。

 

さらに衣服の原材料である綿花は殺虫剤を多用して虫よけをします。その殺虫剤の量は世界の使用量の25%にものぼるとされています。殺虫剤による健康被害も懸念されており、毎年2万人もの人が亡くなっているというデータもあります。

 

ファストファッションが流行したことで服の価値が下がり、生産に携わる人々の低賃金化が蔓延していることも問題となっています。我々が安いからと何となく買って、何となく捨てた服が生産者を苦しめ、地球環境を劣悪なものにしているということでしょう。リサイクル100%可能のAMPHITEXは、「持続可能なファッション」の普及を促す役割も担うのではないでしょうか。

選択肢が広がるファッション業界の未来

※写真はイメージです/PIXTA
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AMPHITEXのような革新的な技術が広がるファッション業界は、今後さらなる進化を遂げることが予想されます。

 

他にも冒頭で紹介したイタリア発のアパレルブランド、ストーンアイランドの「アイスジャケット」は、その名の通り、温度によって変幻自在に色を変える独自のジャケットです。

 

この革新的な衣類は、特殊な素材と微妙な温度変化によって、見る者の目を楽しませる変色効果をもたらします。冷たい状況下では1つの色に見えるが、暖かくなると別の色に変貌する神秘的な性質が魅力的です。この洗練された技術とデザインは、ファッションの最前線で高い評価を得ています。

 

これらの革新的なテクノロジーが広がる未来では、ファッションは単なる装いを超えて、個人のライフスタイルや環境への配慮を反映した、持続可能で魅力的な選択肢となるでしょう。「デザイン」だけではなく、「機能性」や「サスティナブルさ」でウェアを購入する未来はもうすぐそこまで来ています。