(※写真はイメージです/PIXTA)

コスモス薬品は、ドラッグストア併設型のクリニック開業支援を行っています。今回は、2022年10月、福岡県那珂川市中原のメディカルモール那珂川中原で「まつもと内科・循環器内科」を開設した松本学先生に、開業を決められた経緯と、その後のクリニック運営についてお話を伺いました。本連載は、コスモス薬品Webサイトからの転載記事です。

地域貢献を行うチャンスに、心が動く

私は医師免許取得後、久留米大学病院、および地域基幹病院で、おもに心不全・狭心症・心筋梗塞・不整脈・心臓弁膜症・心筋症といった、循環器疾患の診断と治療に従事してきました。

 

 

これまでのキャリアに不満はありませんでしたが、今後、さまざまな患者さんの症状に幅広く対応できる医療を地域で提供していくためにも、大学病院をはじめとする大きな規模の病院ではなく、一国一城の主として自分自身のクリニックをつくった方が良いのではないかと考え、今回の開業を決断しました。

 

勤務医の場合「この患者様は、自院で治療して差し上げられるのではないか」と思っても、自分の判断だけではその全てに対応することはできません。そのため、患者様のご希望に反してほかの医療機関へご紹介するといったケースがいくつもありました。

 

しかし、ご高齢の患者様の場合、ひとつの病気だけで医療機関を訪れることはほとんどなく、たいていは複数の疾患を抱えていらっしゃいます。そして患者様ご自身も、疾患ごとに異なる医療機関へ通うのではなく、可能なら、ひとつの医療機関で治療をすませてしまいたいと思われています。

 

自分が経営するクリニックなら、自分の判断によって、できる限り患者様のご希望に添えるよう、対応することが可能です。オールラウンダーが求められる町医者として、フレキシブルな治療をおこなえればと考えています。

 

さらにいうなら、クリニックでともに働くスタッフについても、柔軟な対応が可能です。もし労働環境等について相談事があったなら、それを経営者である私自身がケアし、スタッフにとって働きやすい職場環境をつくることもできます。こうしたことから、開業医を目指すことになったのです。

若い時代から縁があった「那珂川市中原」

那珂川市中原という場所には、大学病院に勤務していた頃、よく訪れていました。出張先のクリニックがあったのです。恐らく1年のうち3分の1くらい、そこで診療していたと思います。このエリアに開業したのは、そういった縁を感じてのことです。

 

いまから20年くらい前、この近辺には開業医はほとんどいませんでした。なかでも私が専門にしている循環器系はゼロであったことから、この土地で開院して頑張れば、地域の皆さんのお役に立てるのではと考えていました。

 

そんな折、コスモス薬品さんが、まさにこの場所で医療モールを開発されることを知ったのです。

 

クリニックの運営面としても、コスモス薬品さんの手厚いサポートがあり、心強く感じています。クリニック経営・運営に関する知識の豊富なスタッフの方々が相談に乗ってくれますし、きめ細かく対応してくれるなど、非常に丁寧です。

 

コスモス薬品さんの開発する物件では、非常に効果的なクリニックの告知用看板も利用可能で、地域住民やドラッグストアに来店される方々の目に自然に留まります。その為、これ以外の広告としては、駅広告のみを実施しており、それでも順調に来院患者数は増加しています。

 

地域のホームドクターとして、皆様の健康維持をサポートしたい

自分のクリニックを開業したからには、自分が理想とする医療を追求し、ご提供していきたいと考えています。

 

そのひとつが診療時間や受付時間をフレキシブルにすることです。以前勤務していた規模の病院では、診療時間や受付時間がしっかり決まっていました。しかし、患者様にもご事情があります。せっかく診療を受けようと思ったのに、道路が混んでいた、など何らかのご事情があったとしても、診療時間に間に合わなければ、多くの場合は改めてほかの日にちを予約しなければなりません。しかし、私のクリニックでは、連絡さえいただければ、多少の遅れなら対応したいと考えています。

 

あとは待ち時間の問題です。評判のいい医師のところに行ったものの、軽く2時間待ちだった...というケースは少なくありません。その点も、なるべく短縮できるよう、工夫を重ねているところです。

 

以前のクリニックでは、患者様はご高齢の方が中心だったのですが、いまクリニックを開業している那珂川市はベッドタウンなので、働き盛りの方が多く住んでいらっしゃいます。私は町医者として、そういう方々とともに歳を取っていくことになります。その方たちに寄り添う気持ちを大切に、生活習慣病の予防をはじめとする、健康維持のサポートに尽くしたいと考えています。

 

生活習慣病は、とくに働き盛りの年代におけるストレス、暴飲暴食、運動不足等が原因となって引き起こされます。症状はなかなか現れませんが、実際に症状が現れた時点では、すでに大事になっている可能性が高いのです。そのため、日頃から定期的な診察を行い、万一悪い数値が出たときには、すぐに相談できるホームドクターを持つことが肝心です。私自身がそういう存在になって、那珂川市に住む方々の健康維持に貢献できればと思います。

 

 

プロフィール

 

・昭和60年 福岡県立筑紫丘高校卒業

・平成5年 久留米大学医学部医学科卒業

・平成5-7年 久留米大学病院第三内科(現心臓・血管内科)研修医

・平成7-10年 下関市立中央病院、大分県済生会日田病院に出向

・平成10-17年 久留米大学病院第三内科助手(不整脈研究室)

・平成17-22年 春陽会うえむら病院(佐賀市)循環器内科診療部長

・平成22-25年 春陽会うえむら病院副院長

・平成26-令和4年 毛利内科循環器科医院(志免町)副院長

・令和4年10月 まつもと内科・循環器内科開院

 

所属学会・資格など

 

医学博士(久留米大学)、日本内科学会 総合内科専門医、日本循環器学会 循環器専門医、日本不整脈心電学会 不整脈専門医、日本禁煙学会 禁煙サポーター、日本医師会認定産業医