アメリカの住宅は日本と違い、リフォームや修繕を繰り返して長く住み続けられるように設計されています。そのため、特に中古物件では様々な修繕が発生することがあります。そこで今回は、アメリカ不動産の修繕の特徴について投資家の皆さんに紹介します。

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アメリカ不動産の修繕・メンテナンスの必要性は?

不動産を購入・保有する目的はそれぞれ異なりますが、アメリカの不動産を購入する投資家の多くが「投資運用商品」として購入し、賃貸運用をすることでインカムゲインを手にします。また、アメリカの不動産価格は値上がりを続けていることから、一定期間賃貸運用をしたのちに売却をしてキャピタルゲインを手にすることもできます。そのため、保有する不動産の資産価値を保全し、さらに賃貸運用においてマーケット価値を確保するため、定期的な修繕やメンテナンスは欠かせません。

 

次に、資産価値保全とマーケット価値確保のためには、それぞれどのような修繕が必要なのかを見てみましょう。

資産価値保全を目的とした修繕

不動産の資産価値を保つために行う修繕のことです。屋根・基礎(建物の根幹)・配管・電気など、外からは見えない構造そのものに影響を与える部材・部分に対する修繕などが該当します。

 

不具合が発生している場所には早めに修繕を行うのはもちろんのこと、予防として修繕を行うことで、先々の修繕コストを抑えることもできます。

賃貸運用上のマーケット価値確保のための修繕

賃貸マーケットに提供する不動産の魅力を高め、高い収益を獲得することを目的に行う修繕のことです。具体的には、空調設備やガレージシャッターなど不具合が起きやすい設備のメンテナンス、キッチン・トイレなどの生活設備の適切な入れ替えなどが該当します。

 

特に、オープンハウスがご紹介対象としているテキサス州、ジョージア州、カリフォルニア州は空調設備が必須の地域が多いことから、空調設備の修繕・メンテナンスは賃貸運用上で最重要要素となっています。

アメリカ不動産は日本と違ってなぜ修繕が必要なのか

アメリカの不動産投資では、日本ではあまり発生しないさまざまな修繕が必要になる場合があります。具体的なケースをご紹介する前に、なぜアメリカの不動産は日本の修繕と違うのか、その背景についてご紹介したいと思います。

日本とアメリカでは不動産住宅の寿命が違う

日本にも「100年住宅」といった長く住み続けられる住宅がありますが、一般的な日本住宅の寿命は約30年といわれています。一方、アメリカの住宅の寿命は約60年といわれ、リフォームや修繕を繰り返しながら長く住めるように設計されています。

 

そのため、日本ではあまり見かけない“基礎はそのままで、老朽化した配管や空調をすべて入れ替えるような修繕”も、アメリカでは珍しくありません。

日本とアメリカでは発生する自然災害が違う

日本でも台風や大雨による自然災害が増えており、大きな被害が発生するケースが増えています。しかし、日本と気候が異なるアメリカでは、発生する自然災害の種類や規模が違います。例えば、オープンハウスが物件のご紹介対象としているテキサス州は、アメリカのなかでも特に気候が厳しいことで知られています。季節ごとの気温変動も大きく、夏は35℃を超える日が続き、40℃以上になることもある一方で、冬は寒波に襲われて氷点下になることもあります。

 

また、3~5月にかけてハリケーンも頻繁に発生し、大雨や暴風に加えてひょうも発生します。ひょうは米粒ぐらいの小さなものからゴルフボールやソフトボールぐらいの大きさのものまであり、日本では想定できない被害が発生することもしばしばあります。

アメリカ不動産投資でよく遭遇する修繕6例

では、アメリカ不動産投資でよく遭遇する修繕の具体例について見てみましょう。

 

①屋根の修繕

日本と同様にアメリカの不動産でも、経年劣化や荒天により屋根が損傷することがあります。度合いが軽ければ損傷箇所のみの修繕で済みますが、重度の場合には屋根全体を交換する必要があります。特に、アメリカではソフトボールくらいの大きさのひょうが降ることがあり、屋根に穴が開いてしまうと修理費用がかさんでしまう可能性があります。

 

屋根の修繕費用は損傷の度合いによりますが、屋根の張り替えが必要なケースでは6,000~12,000ドルの費用が掛かります。なお、風災や雹災などの自然災害によって発生した損害については、オーナー様が加入している保険が適用される可能性があるため、管理会社と相談しながら修繕の手配をすることになります。

 

②配管工事

水回りの不具合は設備の経年劣化だけでなく、入居者の生活習慣によっても発生します。具体的には、蛇口や配管からの水漏れ、排水管の詰まりや破損、給湯器の破損、トイレの水漏れや詰まりなどがあります。

 

一般的な修繕費用は、排水管の詰まりや破損では、数百~数万ドル、給湯器の交換費用では1,500ドル~など、修繕箇所の規模により大幅に価格が変動します。また、アメリカ住宅の特徴としては壁の内側に配管が通っている場合が多く、壁に穴を開けて作業を行うことから、配管本体の修復工事とは別に壁の修復工事が発生することがあります。さらに、地中配管の交換を行う場合には、数千~数万ドルの高額工事になるケースもあります。

 

③冷暖房や空調

オープンハウスがご紹介対象としている地域では、多くの物件が冷暖房と空調を一括コントロールするセントラル空調システム(エアコン)を採用しています。そのため設備の老朽化だけでなく、極端な高低温が続いてシステムに過剰な負荷が掛かり、設備が消耗することで故障するケースがよく見られます。特に注意したいのは暑い日が続く春先から秋口にかけての時期で、入居者の生活に大きな影響が生じてしまう場合には緊急に対応する必要が生じます。

 

一般的な修繕費用は、フロンガスの充塡が350ドル~、空調システムの交換が3,000ドル~で、空調システム交換では物件の面積が広く、システムが大きくなるほど高額になります。なお、セントラル型空調システムは強力で頑丈ですが、壊れてしまうとその影響が建物全体におよび、季節や地域によっては非常に厄介なことになることから、定期的なメンテナンスと修繕が欠かせません。

 

④基礎工事

家の基礎部分が傾いてきた時、ジャッキを地中に入れて水平な状態に戻す工事のことです。日本では基礎の傾きは致命的な欠陥になりますが、テキサス州などでは一般的に行われています。これは、テキサス州の土壌が雨で濡れれば膨張し、乾燥すれば収縮する粘土質であることに由来します。物件探しの際に修繕履歴の開示を求めると、「この物件は基礎工事を5,000ドルやっています」などと説明を受けることがあるため、投資家の方は知っておきたいキーワードです。

 

⑤フェンス

アメリカの戸建住宅では、隣接する住宅との境に木造のフェンスを建てていることが多く、経年劣化や浸水によって腐食したり、強風や嵐などで倒壊することがあります。フェンスに生じた不具合は、屋根や配管、エアコンの故障に比べると緊急度は低くなりますが、安全上の理由や、景観維持を目的として市や自治体から是正勧告を受けることがあり、緊急で対応をしなければならないこともあります。

 

一般的な修繕費用は、板の交換が1フィート(約30センチメートル)あたり50ドル~、ゲートの交換が200ドル~です。なおフェンスの損傷について、入居者に過失がある場合には入居者の負担になります。

 

⑥退去時の原状回復工事

入居者の退去時に必要になるのが原状回復工事です。原状回復工事に要する費用は日本と同様に、入居者に過失が認められる部分については契約時に預け入れた敷金から支払い、不足分は入居者に請求します。しかし入居者が追加請求分を支払わないケースもあり、オーナー様に追加請求分をご負担いただくこともあります。

 

一般的な原状回復工事費用は、程度にりよますがだいたい7,000~9,000ドルくらいです。

オーナー様負担を軽減させる「修繕定額請負サービス」

オープンハウスでは、ダラス・ヒューストン・アトランタ エリアにおいて修繕定額請負サービスをご用意しています。

 

修繕定額請負サービスのメリット

建物の価値を維持する軽微な修繕を管理会社が月額250ドル(※1・2)で請け負います。

 

原状回復工事について、前回賃料の2か月分をご負担いただきますが、前回賃料2ヵ月分を超える費用(※3)はオープンハウスグループにて10,000ドルまで負担します。総工事費用が10,000ドルを超過した場合、前回賃料2ヵ月分+10,000ドル超過分はオーナー様のご負担となります。

 

※1・3:2023年7月時点の情報です。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。

※2:年間(1/1~12/31)の修繕費用額につき、$10,000を上限として当社にて費用を負担させていただきます。同サービス適用の修繕費用額の合計が$10,000を超える部分につき、オーナー様のご負担となります。

 

アメリカの不動産投資ではさまざまな修繕に遭遇します。オープンハウスでは、物件をお持ちのお客様を対象に、修繕定額請負サービスへのご加入をおすすめしています。

まとめ

今回はアメリカの不動産投資で遭遇する、住宅のメンテナンスや修繕の特徴についてご紹介しました。修繕は、物件選びや賃貸運営で避けて通れない課題です。今回ご紹介した内容を参考に、アメリカ不動産投資を成功させましょう。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。