これまでの別荘地とは一線を画すハイクオリティな別荘地をコンセプトに開発が行われた「あさまテラス」

新型コロナウイルスまん延防止等重点措置を何度も経験するなか、「より良い環境に身をおきたい」という思いから「別荘」への関心が高まった。なかでも日本屈指の別荘地・軽井沢への注目は増すばかりである。しかし憧れを叶えるには「コスト」はつきもの。本連載では物件の購入から管理、さらに売却や相続といった出口まで、別荘に関する様々なコストについて、株式会社西武リアルティソリューションズでリゾート事業を担当する会沢昌之氏と、軽井沢 駅前別荘販売センターの藤原健太郎氏とともに紐解いていく。第2回目のテーマは「軽井沢・別荘を所有し続けるためのコスト」。

定住か、別荘か…コスト面から考えるメリット

前回、軽井沢で別荘を実現させるためには、購入費用として中古の建物付の土地であれば2,000万円台から、土地と新築物件の場合は6,000万円台から、という相場が見えてきた。キャッシュでそれだけの金額を用意できれば良いが、ほとんどのオーナーはローンを活用しているという。

 

株式会社西武リアルティソリューションズ販売事業部  軽井沢 駅前別荘販売センター 藤原健太郎氏
株式会社西武リアルティソリューションズ 軽井沢 駅前別荘販売センター 藤原健太郎氏

藤原「それまでの拠点を整理し、軽井沢に定住されるという場合は、住宅ローンが適用されます。金利を抑えられるというメリットがありますので、『移住派』の方々の多くは、住宅ローンを利用されていますね。

 

また別荘としての利用目的で購入を検討される方は、金融機関が用意しているリゾートローン、または多目的ローンを活用されています。ただ中古の建物の場合、築年数が経過していると抵当権を担保にできないこともあるため、自宅やお手持ちの株券など資産を担保してローンを組まれる場合もあります。いずれにしても住宅ローンより金利は高い傾向にあります」

 

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、テレワークが浸透し始めた結果、働き方の見直しを検討する人が増えている。「自然豊かな環境の中で、新しい生活を始められたら」という希望が実現できそうな場合、思い切って定住を検討した方が購入費を抑えられるようだ。また移住とまではいかなくても、来訪の頻度さえ高ければ相応のメリットが期待できる。

 

会沢「たとえば都内などに生活の拠点を残していたとしても、公共料金の支払票などを活用し、月に1度以上来訪していることを証明できれば、セカンドハウス認定を受けられます。税制上『住宅』とはみなされない別荘に比べ、セカンドハウスは固定資産税が減額されるのです。さらに、軽井沢町内の家屋所有者に町民税(年間5,500円)が課税されますが、公共施設や温泉を町民と同じ料金で利用できるようにもなりますよ」

「軽井沢の別荘暮らし」に不可欠なランニングコスト

国内有数の別荘地として支持を集める軽井沢だが、冬季の寒さが厳しいほか「自然豊かな環境が、却って物件荒廃のスピードを早める」という留意点もある。「定期的に管理の手を入れること」が物件を長く活用し、資産価値を低下させない唯一の方法なのだ。つまり軽井沢暮らしには購入費用だけでなく、ランニングコストも考えておかなければならない。

 

藤原「私どもが管理をしている『千ヶ滝別荘地』では、各戸の鍵をお預かりして定期パトロール等を行う建物管理がございます。

 

建物管理費はエリアや建物面積により異なりますが、基本料金の一例として建物面積40坪で年間10万円程度となります。また、建物管理の有料オプションで落葉清掃や冬期の水道管開閉栓作業等をご依頼することが可能です。

 

特定のエリアでは建物管理費のほかに共用施設維持管理費や修繕積立金などで年間30万円ほどの費用をご考慮いただくことになります」

 

株式会社西武リアルティソリューションズ販売事業部 会沢昌之氏
株式会社西武リアルティソリューションズ 会沢昌之氏

またオーナーが上記の管理費を納め、管理会社が定期的に業務を遂行していたとしても、荒廃を止められないケースがある。不在期間が長期に渡り、物件が廃屋化してしまうのだ。「お隣がずっといらっしゃらないみたいで……」という相談が寄せられることもあるという。

 

会沢「そうした場合、オーナーさまにお声がけして売却をご検討いただくということもあります。私どもは軽井沢で、100年以上の長きに渡りビジネスを展開しており、現在は総区画数約4,800区画の別荘地全体を管理しています。総面積は小さな自治体にも匹敵しますので、その管理責任を自覚しつつ、エリア環境の向上に努めております。そのような管理体制が整っている点も別荘地の価値を維持できる秘訣だと考えています」

定住派も知っておきたい、軽井沢暮らしの意外なコスト

ここまでの内容に目を通したうえで「私は現在の拠点を整理し、軽井沢に定住したいと考えている。自分でできることは全部自分でやるのだから、多額のランニングコストは必要ない」と考える人がいるかもしれない。しかし、年間を通して軽井沢生活を送る際には、都心の生活にはない出費を考慮しておかなくてはならない。

 

藤原「私は現在、生活の拠点を軽井沢に置いていますが、都心での生活に比べ、最も高額なのが光熱費。まず軽井沢には都市ガスが供給されていないため、価格にして約1.5倍以上といわれるプロパンガスの利用を余儀なくされます。このため、冬のガス代は月2万円。また夏はエアコンいらずですが、軽井沢は冬が長く、11月から4月の終わりごろまで、日によっては5月でも、肌寒くて暖房が必要な朝があります。このため電気代や灯油代なども相応に多額となるのです。もちろん冬季は降雪・凍結対策が必要ですから、家屋やマイカーのために、設備投資もしなくてはなりません」

 

こうした留意点を鑑みてもなお、軽井沢での生活は多くの人々を魅了し続けている。現実的に不動産購入を検討するのであれば、ランニングコストを踏まえたうえで堅実な資金計画を立案しておくことが大切となりそうだ。

 

四季折々の表情をみせてくれる軽井沢。自然豊かな環境下での暮らしには、都会にはないコストを必要とする
▲四季折々の表情をみせてくれる軽井沢。自然豊かな環境下での暮らしには、都会にはないコストを必要とする

取材・文/西本不律 撮影/上條伸彦(人物)
※本インタビューは、2022年2月25日に収録したものです。