6人の専門家が手がけた「相続対策本」・・・執筆の動機とは?③

前回に引き続き、6人の専門家が集結し、1冊の本を書き上げた事例を紹介します。著者それぞれがどのような想いを込めて執筆したのか、インタビュー形式で探ります。第3回目は税理士の島根猛氏です。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、今なぜ社長作家が激増しているのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

「対策の難しい相続に悩む人々の助けになりたい」

相続増税時代に突入し、相続税対象者は昭和33年以来過去最大に。相続人同士の争い、高額な相続税負担、財産の損失など、残された者の人生を揺るがす可能性があるゆえに、頭を悩ませる人も多い。

 

そんな中「かけがえのない財産や人間関係を守り、円満相続を叶える一助となりたい」という想いを抱き、司法書士・不動産鑑定士・税理士・不動産コンサルタント・遺品整理士・事業承継コンサルタントの専門家が立ち上がった。そして、「対策の難しい相続に悩む人」のために「正しい知識」を伝える本を出版した。

 

著者陣へのインタビュー記事、第3回目は税理士・島根猛氏。相続税分野を究めた税理士として、年間150件を超える相続案件にかかわる。「お客様から選んでいただける税理士」になるために某保険会社のライフプランナーとしての営業職経験ももつ。

 

島根猛(税理士)

 

24歳で税理士試験に合格し、27歳で税理士登録。実務経験に加え、専門学校の税理士講座で教鞭を執るほか、生命保険の営業も経験。相続税を究めた税理士として、顧客のニーズに沿った親身なオーダーメイドの相続対策を提案。年間150件以上の相続案件に携わる。

休日は子どもたちと公園に行ったり、家族と出掛けるなどして過ごすことが多い。最近は子どもたちも大きくなり、一緒にバスケットボールをする機会も増えた。いつまでも子どもたちのかっこいいパパでいられるよう日々精進を積み重ねている。

 

――相続において「納税資金が足りない」「納税方法に困っている」声をよく耳にします。相続において、皆さんが最も心配されているのは、やはり納税なのでしょうか。

 

そうですね。相続税の納税期限は、相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。多くの方が税理士に会うタイミングは49日の法要が済んだ頃で、この時点で相続が発生してから2ヶ月弱が経過しています。

 

本書の中では、「相続後、納税資金不足がわかった事例」の解決策を紹介していますが、限られた時間の中で、納税資金の不足を算出し、納税資金を用意する方法を考えなければならないので、困ってしまう方が多いのが現実でしょう。

 

――相続が発生する前に相続税対策を行なうことが大切なのですね。

 

相続発生後に納税資金が足りないことがわかり、相続人が預貯金を切り崩した、先祖から引き継いできた不動産を売却した、という声も耳にします。残されたご家族のためにも、ご本人のためにも、余裕があるうちに相続税対策をもとにした遺言書を作成するなど、準備を行うことが大切だと思います。

 

 

――多くの方は税理士に財産の相談をすると思います。しかし、本書では、実は税理士全員が相続税や相続対策に精通しているわけではないと書いてあります。

 

税理士試験の受験科目には、会計科目と税法科目があります。会計科目は必ず合格しなければなりませんが、税法科目は合格必須の科目と、選択科目があるんですね。相続税法は、選択科目に含まれます。相続税法を選択せずに税理士になった場合、実務を通じて相続税について勉強することになります。

 

私もそうだったのですが、一般的な税理士が相続税申告の案件にかかわる頻度は、1年に1件あるかないかです。このような理由から、税理士全員が相続税に詳しいわけでは決してないのです。相談される税理士を選択する場合は、実績の確認をすることをおすすめします。

 

――依頼前に実績の確認をすることが大切。とても参考になります。

 

相続対策は1回面談しただけで終わるものではなく、依頼すれば、長いお付き合いになります。そのためは、信頼できる税理士を見極める目をもつことが大切です。税理士にもさまざまなタイプの方がいますので、親身になって相談にのってくれる税理士に出会えるよう、今回の本が少しでも読者の皆さんのお役に立てるとうれしいです。

 

――原稿の締め切りは3月の確定申告の時期でした。隙間の時間をみつけては喫茶店で原稿を書いてくださった島根先生。35歳という若い税理士先生ですが、相続対策の豊富な実績と保険会社のライフプランナーとしての営業経験から培った高いコミュニケーション能力力を活かし、相談者とって“人生のパートナー”となってくださる方だと感じています。

 

恐縮です。がんばります。お客様から「島根さんにお願いしてよかった」「島根さんともっと早くお会いしたかった」などのお言葉をいただいたとき、私はすぐに感動してしまうタイプなので、お客様の前ですが、感動して目頭が熱くなってしまうことが多いです。この言葉をいただけるよう、日々の積み重ねを大切に、精進してまいります。

 

 

佐藤良久、近藤俊之、幾島光子、石川宗徳、森田努、島根猛 著

『円満相続を叶える正しい知識』

 

 

「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」
「相続した不動産、売るべき?売らないべき?」
「信頼できる税理士の見極め方を知りたい」
「不動産価格を巡って意見が分かれてしまった」
「倉から掛け軸を発見。誰に相談すればいい?」
「会社を任せられる後継者がいない」

「対策が難しい相続」に悩む人は、決して少なくありません。本書では、司法書士・不動産コンサルタント・税理士・不動産鑑定士・遺品整理士・事業承継コンサルタントの6名が、事例と共に相続に関する悩み解説。大切な資産と人間関係の守り方を教えます。

 

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連載いま激増する「社長作家」――その実像を探る

幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長

企画編集室・室長を経て現職。代表取締役となった現在も、毎月10冊以上の書籍編集に携わる。手がけるジャンルはノウハウ書、旅行記、写真集、絵本など幅広いが、特に得意としているのは小説と自叙伝。著者の出版目的を満たすことを重要視し、書き手と細かく議論を重ねる編集スタイルが特徴。これまで多数の重版実績を持つ。

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