前回は、ネットでエネルギーの需給を管理し、エネルギーの安定供給を目指すなどの取り組みをしているドイツの企業、「enisyst」を取り上げました。今回は、ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)の執行役員で、事業開発本部副本部長の楠田喜彦氏に、「太陽光発電事業」の将来展望などを伺いました。

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「太陽光発電所自体の価値」が投資基準に

今回は、太陽光発電の投資をFIT開始直後より積極的に行ってきた、ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)様のインタビューをご紹介します。いままでの太陽光発電、これからの太陽光発電のあり方について、投資家の目線でお話を伺いました。

 

ジャパンインベストメントアドバイザーは、航空機、船舶や海上輸送用コンテナなどをリースするオペレーティング・リース事業を中心に事業展開しています。取得した航空機等のリースをしながら、一方で取得資金は、ファンドを組成して調達しています。バランスシートの右側では、ファンドを形成し、左側ではリースをやってきた、そういった歴史があります。

 

その中で、2012年の再生可能エネルギー固定買取価格制度が始まり、コンテナファンドや航空機ファンドのお客様も相当太陽光発電に投資していることがわかり、あわてて勉強を始めました。最初に投資したプロジェクトは2014年に連系になり、現在の稼動プロジェクトの件数は合計20設備、規模でいうと約35.7MWになります。横浜環境デザインさんとは、2014年以来、年に1~2件は新規プロジェクトでご一緒してきました。

 

輸送機器リースファンドと太陽光発電所ファンドを売上比率で比較すると、ここ数年の合計では、リース8.5に対して太陽光発電所は1.5ぐらいになります。一番売り上げが高いものは航空機リースになりますが、太陽光発電所への投資の判断にあたっても、その基準は航空機等への投資の場合と同じ考え方で、実物の真の価値を重視して投資先を決定しています。

 

株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
執行役員 事業開発本部 副本部長 楠田 喜彦氏
株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
執行役員 事業開発本部 副本部長 楠田 喜彦氏

 

例えば航空機に投資する際、当社では、投資家の利益を守るという理由から、機体の価値をしっかり見極めることを徹底しています。長期のファイナンスリースの場合、ともするとレッシー(賃借人)の信用力に偏ったリスク判断となり、機体の中古市場での売却可能性の検討がおろそかになっている例が市場で散見されますが、そうした場合、いざ機体を売らなければならなくなったときに売れないことがあります。

 

弊社の場合、数多く取り扱っているのはB737-800やA320シリーズなどのいわゆるベストセラー機種、中古市場での取引がしっかり成立している機種が主体です。最近も、世界で一番飛んでいる中型機のB737シリーズの最新型は旺盛な需要があり中古市場も読めることから、10機発注したところです。

 

太陽光発電所に投資する際も同じ視点で、太陽光発電所自体の価値はどうかをしっかり見極め、それを基準に購入を決定しています。特に太陽光発電所の場合は、しっかり工事ができていれば日射量に応じた発電は期待でき、20年間のFIT価格が守られているので、投資としてのリスクは限定的と思っています。

 

栃木県さくら市小入発電所 2.3MW (2014年12月連系)
栃木県さくら市小入発電所 2.3MW (2014年12月連系)

蓄電池の技術開発を行うベンチャー企業にも出資

ただ最近は、太陽光発電も系統側の受入可能量の問題が発生していて、電力会社から接続不可という回答が多くなってきています。投資機会の減少が危惧されますが、今後は蓄電池の活用で接続拒否などの問題を回避できるのではないかと考えて、蓄電池に関する技術を開発しているベンチャー企業にも出資をしています。その会社が開発しているレドックスフロー電池とは大容量電池のひとつなのですが、良く知られるNAS電池やリチウムイオン電池に比べ、かさばる代わりに、寿命が長く安全性も高いとされています。

 

パソコンや携帯電話、電気自動車などに用いる蓄電池は、体積を小さくする必要があります。小さい体積の中に大容量の蓄電をさせようとすると熱を帯びるため、発火などの危険も高まるとされています。

 

しかし野立ての太陽光発電は、パネル下なども考えれば土地が広大に余っているケースが多く、蓄電池をそこまで小さくする必要がありませんから、体積は大きいが大容量で蓄電できて危険が少ないタイプがマッチしていると考えています。このレドックスフロー電池は数年後には市場に投入できると見込んでいます。

 

もちろん電力会社との協議次第になりますが、新規の設備認定の取得にあたり、蓄電池付きの太陽光発電所とする前提とし、不安定な電源を安定化させ、系統連系問題を回避するのが理想です。

 

 

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