兄にだけ〈生前贈与3,000万円〉、遺言書では思いっきり遺留分を侵害され…親の死から10年後、弟が気づいた「とんでもない事実」【弁護士が解説】

兄にだけ〈生前贈与3,000万円〉、遺言書では思いっきり遺留分を侵害され…親の死から10年後、弟が気づいた「とんでもない事実」【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

遺留分を侵害する遺言書が遺されていたと、相続トラブルになるケースは少なくありません。相続トラブルで多い「遺留分」ですが、生前贈与も遺留分計算の対象となることをご存じですか。もし、生前贈与があった際、遺留分はどのように計算するのでしょうか? 本記事では、生前贈与がある場合の遺留分について、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

生前贈与がある場合の遺留分侵害額の計算方法

生前贈与がある場合、遺留分はどのように計算するのでしょうか? ここでは、次の前提で順を追って解説します。

 

・相続人は、被相続人の長男と二男の2人

・被相続人は、長男に5,000万円相当、二男に2,000万円相当の遺産を相続させる旨の遺言書を遺していた

・被相続人は、相続開始の5年前に、長男に対して3,000万円相当の財産を贈与していた

・そのほかの特記事項はなし

 

ステップ1:遺留分の基礎となる財産を計算する

はじめに、遺留分計算の基礎となる財産を計算します。遺留分計算の基礎となる財産は、次の式で算定します。

 

遺留分計算の基礎となる財産の価額=(被相続人が相続開始のときにおいて有した財産の価額)+(遺留分計算の対象となる贈与の価額)-(被相続人の債務)

 

例のケースでは、次の額が遺留分計算の基礎となります。

 

遺留分計算の基礎となる財産の価額=5,000万円+2,000万円+3,000万円(生前贈与)=1億円

 

ステップ2:自身の遺留分割合を確認する

次に、自身の遺留分割合を確認します。このケースにおいて、長男と二男の遺留分割合はそれぞれ次のとおりです。

 

長男:4分の1(=遺留分割合2分の1×法定相続分2分の1)

二男:4分の1(=遺留分割合2分の1×法定相続分2分の1)

 

ステップ3:自身の遺留分を計算する

次に、ステップ1で計算した遺留分計算の基礎となる価額に遺留分割合を乗じて、自身の遺留分の額を計算します。このケースにおいて、長男と二男の遺留分は、それぞれ次のとおりです。

 

長男:1億円×4分の1=2,500万円

二男:1億円×4分の1=2,500万円

 

ステップ4:遺留分侵害額を計算する

最後に、遺留分侵害の有無と、遺留分侵害額を計算します。例のケースでは、それぞれ次のとおりです。

 

長男:実際に受け取った金額8,000万円(=遺言で5,000万円+生前贈与で3,000万円)≧遺留分2,500万円。よって、遺留分侵害額はない

二男:実際に受け取った金額2,000万円<遺留分2,500万円。この差額である500万円(=2,500万円-2,000万円)の遺留分を侵害されている

 

そのため、例のケースでは、二男から長男に対して500万円分の遺留分侵害額請求をすることが可能です。

 

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