いまだに「休まないのが美徳」とされている

ある年代より上の人は、「日本人は働きすぎだ」とか「働きバチだ」とさかんにいわれた時代があったことを覚えているでしょう。

しかし、現在の日本の勤務時間の長さや休日の日数などを諸外国と比較すると、実はそれほど働きすぎというわけではありません。

とはいっても、勤勉な国民性であり、休むことを罪悪と捉える傾向があるのはたしかです。

たとえば職場では、「おはよう」「こんにちは」というあいさつの代わりに「お疲れさま」と声を掛け合いますね。

グーグル翻訳で「お疲れさま」を英語に翻訳してみると、「Thank you for your hard work.」と出ます。直訳すると、重労働をしてくれてありがとう、というような意味です。

こんなあいさつが日常的に交わされているのは、疲れているのが当たり前という共通認識があるからなのではないでしょうか。

ここにはわれわれ日本人の、「粉骨砕身して働くことが当然である」という意識のあり方があらわれているように思います。休まずに出勤することが、いまだに美徳とされているのです。

「働かざる者、食うべからず」ということわざがあるのもうなずけます。

一方、英語のあいさつは「Hi,how are you?」です。

こんなふうに聞いてくれれば、元気なら「Fine.」、そうでないなら「Not good.」と答えることができるでしょう。

もっとも、「それほど親しくない間柄では、あまり調子がよくなくてもfineと返すのが一般的なのだ」という説もありますが、とにかく体調を尋ねられれば、調子がいいときはいい、悪いときは悪いといいやすいことはたしかです。

ところが先にお疲れさまとねぎらわれてしまうと、調子が悪いとはなかなかいいだせなくなってしまいます。