従業員が健康なら「給料」も上がる?企業の「利益率」上昇との研究も。健康経営優良法人が実践する『社員の食サポート』

従業員が健康なら「給料」も上がる?企業の「利益率」上昇との研究も。健康経営優良法人が実践する『社員の食サポート』
画像:PIXTA

企業が従業員の健康を気遣い、手厚い福利厚生を設けたり、デジタルデバイスを利用して体調を管理させたりする事例が相次いでいることを知っているだろうか。少子・高齢化を背景とした人手不足が深刻となっていることや新型コロナウイルスの感染拡大などが背景にある。国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)では、「すべての人に健康と福祉を(目標3)」、「働きがいも経済成長も(目標8)」を掲げている。企業は「自社のブランディングの一環」としても従業員の健康サポートを充実し、目標を達成しようとしている。本連載では、全国で法人向けの出張マッサージサービスを手掛ける株式会社イーヤスの遠藤基平社長が、その経験をもとに「健康SDGs」を実践する企業を紹介し、その意義を具体的に解説する。

食以外のサポート。自社ビルの地下に用意した「設備」

遠藤 食以外の分野でも実施している「健康SDGs」の施策はありますか。

 

鷲谷 例えば、オフィスに椅子の代わりにバランスボールを置いたり、スタンディングテーブルを導入したりして、デスクワークやミーティングをする際に活用しています。バランスボールでは、主に筋力、筋持久力、柔軟性、バランス能力を向上させることが期待できます。スタンディングデスクを利用することで、座りっぱなしで仕事をすることを防ぎ、血流が良くなり、眠気も覚め、集中力が増して仕事の生産性が上がると言われています。

 

鷲谷氏
鷲谷氏

 

これに加えて、弊社の自社ビルの地下に「Z−GYM」という社員用ジムも設置し、社員がランニングマシーンや筋トレ器具を無料で利用できるようにしました。出勤前・帰宅途中に利用できるため、気分転換や運動習慣の定着に役立っています。

 

遠藤 仕事中でも健康増進をサポートする体制があるということですね。運動面では、部活動のある企業も多いですが、御社ではいかがですか。

 

鷲谷 当社にもバスケットボールやフットサル、ジョギングなど多くの部活動があります。日頃の運動不足やストレスの解消にもつながりますし、チームワークの形成にも役立っているようです。部活動を通して、部門を超えた「横のつながり」ができ、仕事の悩みや前向きな相談などが気軽にできているようです。

 

部活動ではありませんが、朝のラジオ体操も実施しています。運動するとLINEでポイントがつき、一定以上のポイントがつくとビタミンなどを配合したお菓子をプレゼントするといった施策も実施しています。

「医療費が少ないと企業の利益率や生産性が上昇」との研究も

遠藤 健康経営の取組みが、仕事の生産性や賃金にどのように影響すると考えていますか。

 

鷲谷 当社はサービス業ですから、会社の最も重要な資産は社員です。このため、会社を支える社員の健康こそが企業の成長につながると考えています。心身がより健康になれば、仕事の生産性が上がり、会社も成長していくわけです。会社の収益が増えれば、社員全体の賃金が上がりやすくなります。社員個人についても、仕事のパフォーマンスが上がれば、会社への貢献が評価されて賃金が上がります。

 

賃金を引き上げるためには、会社も成長して社員に分配できるものを増やしていかなければなりません。ある研究によると、生活習慣病の医療費の変化率が中央値より上位にある企業は、利益率や労働生産性の上昇幅が大きかったそうです。

 

社員が健康になることによって、会社の業績も向上し、賃金として分配するという好循環をつくるため、「食」をはじめとした社員の健康を企業が積極的にサポートしていくことは非常に重要だと考えています。

 

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