【フィリピン】公共サービス「100%外資」可能に…外資規制緩和加速の効果は?

3月27日週「最新・フィリピン」ニュース

【フィリピン】公共サービス「100%外資」可能に…外資規制緩和加速の効果は?
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は外資規制緩和の加速の話題を中心にみていきます。

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フィリピンの国際収支…8億9,500万ドルの赤字に

フィリピンの国際収支(BoP)が、2月に、8億9,500万ドルの赤字となり、1年前の1億5,700万ドルから拡大し、直近5ヵ月で最大の赤字となりました。

 

国際収支は、経常収支と金融収支、資本移転等収支に大別され、経常収支はさらに、自動車などモノの輸出から輸入を差し引いた貿易収支、旅行や特許使用料などを対象とするサービス収支、配当・利子のやりとりを示す第一次所得収支、対価を伴わない無償資金援助などの第二次所得収支に分けられます。2023年1月の国際収支は、30億ドルの国債発行により、30億8000万ドルの黒字でした。

 

一方、2月の赤字は、主に中央政府が外貨債務を決済し、さまざまな支出を支払うために中央銀行(BSP)の預金から資金を引き出したことから生じました。中央政府の債務残高は1月末時点で13.698兆ペソに達し、12月末の13.419兆ペソより2.1%高くなっています。この内、対外債務は1年前から17.8%増加して4兆3140億ペソになっています。

 

国際収支(BoP)は、特定の時点におけるその国の海外との取引を測定します。赤字は、入った資金よりも多くの資金が流出したことを示し、黒字は、より多くの資金がフィリピンに流入したことを示します。BoPの赤字拡大は、貿易収支の赤字が主な原因です。世界的な商品価格の上昇によって輸入が膨らんでいると共に、フィリピン経済の再開による需要増が、重なっています。

 

貿易赤字は12月の45億ドルから1月には57億4000万ドルに膨らみました。輸入が3.9%増加して109億7000万ドルになったのに対して、輸出は13.5%減少して52億3000万ドルになりました。経常収支の悪化は、OFWの送金やBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の海外売上が、貿易収支の赤字を穴埋めできていないことに起因します。

 

2022年の経常収支赤字は、2021年の59億ドルから178億ドルに上昇しました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルに対する懸念から、不確実性が高まり、資金流出が流入を上回ったことも要因です。1月の個人送金は前年比3.5%増の30億7000万ドル、現金送金は27億6000万ドルに跳ね上がりました。

 

海外機関投資家やファンドなどの投資は、1月に2億9,212万ドルの純流入を記録しました。中央銀行の2月末のドルポジションは、前月の1,007億ドルから2.5%減少した982億ドルになりました。これは、7.4ヵ月分の商品の輸入とサービスの支払い、および第一次所得を賄うのに十分です。また、短期対外債務の5.9倍、全対外債務の3.9倍です。

 

今後、フィリピンのドルポジションは、OFWからの送金、BPO収入、海外ファンドからの投資、観光収入の継続的な伸びによって支えられる可能性があります。また、2023年の第2四半期に中央政府が予定している30億米ドルまたはユーロ建ての個人向け債券(少なくとも5年の期間)、国際収支にプラス加算されます。

 

中央銀行は、2023年末時点で、16億ドルの国際収支赤字(GDPの-0.4%)を予想しています。これは、2022年12月時点での予測54億ドルの赤字(GDPの-1.3%)よりも低くなっています。フィリピンの国際収支は、2022年に73億ドルの赤字となり、2021年の13億ドルの黒字から反転しました。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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