(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年12月に政府が発表した「令和5年度税制改正大綱」において、これまで相続税の「節税」対策として活用されてきた年110万円の「暦年贈与」の「生前贈与加算」が7年へと延長されることになりました。他方で、「相続時精算課税制度」に年110万円の基礎控除が導入されるなど、生前贈与による相続税対策が大きく変容することが想定されます。今後の見通しについて解説します。

今後の相続税対策の展望

このように、今後、従来の生前贈与による相続税対策には、大きく網がかけられることになりました。

 

代わりに、これまで相続税精算課税制度が大幅に改定され、生前贈与による対策としてはほぼ唯一のものとなる見通しです。

 

今後、相続税対策の主流は、生前贈与から、資産の相続税評価額を抑える制度や、相続人の経済的負担を抑える制度を活用する方向へとシフトしていくことが予想されます。

 

たとえば、自宅の敷地や事業用建物の敷地等について相続税評価額を抑える「小規模宅地等の特例」や、経営者が保有する自社株について相続税を実質上半永久的に免除する効果がある「事業承継税制」等が、これまで以上に重要な位置づけをもつようになると考えられます。

 

 

黒瀧 泰介(税理士法人グランサーズ共同代表 公認会計士・税理士)

 

関連記事

 

本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。

TOPへ