(※写真はイメージです/PIXTA)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社が、2023年2月のマーケットについて振り返り、「1. 概観、2. 景気動向、3. 金融政策、4. 債券、5. 企業業績と株式、6. 為替、7. リート、8. まとめ」のそれぞれについて解説します。※本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するマーケットレポートを転載したものです。

8.まとめ

【債券】

米国の長期金利は、底堅い雇用や粘着質のインフレを背景にFRBの引き締め姿勢が続くため当面高止まりするものの、先行きはインフレの鈍化と景気減速が見込まれることから、もみ合いながら緩やかに低下する展開を予想します。欧州の長期金利も、賃上げによるインフレ圧力などからECBが金融引き締め姿勢を続けるものの、米長期金利に連れて緩やかに低下する展開を予想します。日本の長期金利は、次期日銀総裁就任後の日銀の政策修正により長期金利の許容変動幅が拡大され、先行き上昇する展開を予想しています。

 

【株式】

S&P500種指数採用企業の22年10-12月期の増益率(純利益ベース)は前年同期比▲3.2%、除くエネルギーセクターで同▲7.4%でした(2月24日。リフィニティブ集計で進捗率93%)。続く23年1-3月期は前年同期比▲4.3%、4-6月期は同▲3.5%と、先月の見通し(それぞれ同▲1.2%、同▲2.0%)から下方修正となりました。除くエネルギーセクターも1-3月期が同▲6.2%(先月同▲2.9%)、4-6月期が同+0.7%(先月同+2.2%)と下方修正となりました。一方、TOPIX採用企業の22年10-12月期の純利益は前年同期比▲22.7%となりました(3月1日。3月期決算企業で除く金融、QUICK集計で進捗率99%)。売上高は同+16.2%、営業利益は同+4.8%でしたが、為替差損の発生に加え、電力会社などの大幅赤字が影響しました。続く23年1-3月期は電気・ガス業や陸運業、空運業などの黒字転換も予想されるなど非製造業がけん引し、TOPIX採用企業の業績は回復傾向を強めると期待されます。日米株式市場ともに業績の底入れ時期が注目されます。

 

【為替】

円の対米ドルレートは、レンジを切り上げつつ緩やかに上昇する展開を予想します。FRBの利上げは当面継続するものの、先行きは米国の景気とインフレが鈍化するため、FRBの利上げ停止と日銀の金融引き締めが意識され、米ドルが弱含む展開を予想しています。円の対ユーロレートは、レンジ内のもみ合いを予想します。ECBのタカ派姿勢がユーロのサポート要因となる一方、日銀の政策修正も意識されるためです。また、円の対豪ドルレートも、もみ合う展開を予想しています。相対的に堅調な豪州景気がサポート要因となる一方、日銀の金融政策修正が意識されるためです。

 

【リート】

米国リート市場は、FRBの利上げ長期化観測と先行きの景気後退が意識され、当面不安定な動きになることが見込まれます。ただし、米国経済はリセッションに陥るとしても、比較的軽微なものにとどまるとみられます。FRBのタカ派姿勢が和らげば、米国リート市場は緩やかに上昇するとみています。欧州リート市場は、ECBによる引き締め強化から上値の重い展開を想定します。ただし、中長期では財政支出による景気回復とともに持ち直すとみています。日本リート市場は、景気回復の動きが続くものの、日銀の金融政策の不透明感から当面レンジ内でもみ合うとみています。アジア・オセアニアリート市場は、景気回復に伴いシンガポール中心に緩やかに上昇するとみています。

 

 

※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2023年2月のマーケットの振り返り【マーケットのプロが解説】』を参照)。

 

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