背景に政府の負担軽減策
折から、政府は2023年1月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を行っています。これは、電力会社をはじめとする電気・都市ガスの小売事業者等に補助金を交付する代わりに、電気代・ガス代の小売価格の「値引き」をさせる制度です。
補助金の額は以下の通りです。
【電気代】
・低圧契約の家庭・企業等:1kWhあたり7円
・高圧契約の企業等:1kWhあたり3.5円
【都市ガス代】
・1,000万㎥未満の家庭・企業等1㎥あたり30円
この施策によって、標準的な世帯においては、2023年1月~9月の光熱費の負担が総額4.5万円程度軽減されるとしています。
ところが、大手電力会社各社が申請している「規制料金」の30%程度の値上げが認可され、電気料金が今よりもさらに上昇してしまえば、この施策の効果も半減することになりかねません。
岸田首相が認可申請について西村経産相に「厳格かつ丁寧な査定」を指示した背景にはこのことがあります。
ウクライナ危機は当分収束する気配がなく、また、円安の背景には日本の国力の相対的な低下という事情もあります。このことからすれば、電気料金が当分の間、高止まりする可能性があります。
自然エネルギー・再生エネルギーのさらなる開発や普及強化といったエネルギーの問題だけでなく、減税や賃上げ促進等の経済対策も含め、総合的な視野に立った対策が求められているといえます。
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