中国が「GDP世界2位・日本の3倍」になっても「先進国」にはなれない理由

中国が「GDP世界2位・日本の3倍」になっても「先進国」にはなれない理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

高校での投資教育が必須になるなど、経済に対する教育への関心が高まっています。そこで本連載では、専門的な知見を生かし、経済に関するニュースをわかりやすく解説することで人気を博している経済キャスターのDJ Nobby氏が、著書である『実は大人も知らないことだらけ 経済がわかれば最強!』(KADOKAWA)から、日本と世界の経済について解説します。

中国の厳しいSNS規制

インターネットユーザーには広く知られていることですが、中国では海外サイトへのアクセス制限が行われています。

 

Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeなど、日本では当たり前に使われているのに中国では使えないサービスが多数あります。中国国内で見られるのは国内の投稿のみ。海外の投稿は基本的に見ることはできません。

 

インターネットアクセスが制限されている理由はいくつか挙げられます。

 

まず、海外の視点で伝えられるニュースが国内に広がることを制御することです。また、都市部の富裕層と農村部の貧困層で情報交流を防ぐ目的も考えられます。すでに農村部からの政府への反発が激しくなっているようで、中国政府では格差が浮き彫りになることを警戒しています。

 

【Nobby‘s point】中国では「暗号資産」取引ができない!?

中国では、もともと国内から海外にお金を持ち出すことに関して厳しい規制があります。海外旅行に行くための資金程度であれば大きな問題にはなりませんが、海外不動産の購入や、海外の会社への投資はかなりハードルが高くなります。

 

理由は中国から外貨が流出するのを防ぐため。ただ、富裕層にとっては資産の分散は必要不可欠なもの。

 

近年では暗号資産を媒介にして資産を海外へ送金するケースも見られており、政府は海外送金への抜け道を塞ぐため、取引規制の強化を続けています。

中国経済が直面する課題とは?

急激な経済成長を続ける中国ですが、足元ではゼロコロナ政策を堅持しているために経済成長の鈍化が顕著となっています。

 

ただ、コロナが終息したとしても中国の経済成長がもとに戻るかどうかは議論の余地がありそうです。その要因は、2つの視点から考えることができます。

 

◆高騰する人件費

「安い労働力」で高品質を武器に輸出業を発展させた中国ですが、いまでは中国の人件費は“アジアトップレベル”と言われています。

 

内陸部の人件費は比較的安く抑えることが可能ですが、港から遠いところで生産を行っても輸送費などのコストがかかるため、競争力には疑問符がつきます。

 

国内生産のコストメリットがなくなってしまったことは、中国の経済成長を止める一因になりそうです。

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実は大人も知らないことだらけ 経済がわかれば最強!

実は大人も知らないことだらけ 経済がわかれば最強!

DJ Nobby

KADOKAWA

経済のしくみを知れば、お金に強くなる! 2022年から高校での投資教育が必須になるなど、経済に対する教育への関心が高まっている。これからの時代、自分らしく生きるための暮らしを手に入れるには、経済の知識と動きをしっ…

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