(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、企業の“IT戦略の柱”としてDXを進める企業が増えています。DXが実現できれば、「生産性向上」や「新たな事業創出」など、企業にとってさまざまなメリットを享受できる一方、「実際にDX推進に成功している企業はそう多くない」と、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏はいいます。今回は、DXが「失敗に終わってしまう根本原因」とその回避策についてみていきましょう。

「1年分」の予算組みでDXは実現不可能

4.適切な権限移譲ができていない

DX推進は前述のように、主導者がトップダウン的に周知を行い、実施するのが理想的です。

 

しかし、DX推進に関わるすべての業務をトップダウン的に行ったほうがよいかというと、そうではありません。ロードマップやシステムの全体像は幹部やIT戦略部の上層部からトップダウン的に落とすべきですが、実際に導入するシステムの選定や構築は現場に任せるべきでしょう。実際にシステムを利用するのは現場の担当者であり、幹部やIT戦略部ではないからです。

 

しかし、DX推進に失敗する企業は、これがわかっていてもうまく権限移譲ができず、IT部門がシステムのほとんどを作り上げてしまいます。そうすると現場担当者にとっては使いにくいシステムとなってしまい、最悪の場合、使ってもらえないケースもあります。

 

IT部門が主体となってDX推進を行うのはよいですが、最終的にどのような要件で進めていくのかなど、細かな部分は現場に権限移譲をすることで成功の可能性が高まります。

 

5.適切な予算取りができない

DX化は、短期間では実現できません。長期的な視点の検討が不可欠です。DX推進に関わるIT予算は、事前に数年分見積もっておく必要があります。

 

しかし、DX推進に失敗する企業では単年のみの予算編成しか行わず、翌年の予算が取れていないケースがあります。そうすると、翌年の経営状態によっては十分にDX推進の予算が確保できず失敗に終わってしまいます。DXを推進する際は、適切な予算取りをすることが重要です。

 

6.外注と内製の適切な判断ができない

適切な予算取りができたとしても、DX推進に使用できる予算は限りがあります。この予算をいかに効率的に使うかが、DX成功の可否を分けます。DX推進のなかでコストがかかるか・かからないかを判断するポイントは、「外注」と「内製」です。

 

自社に十分なITスキル(DBの活用、クラウドの利用など)が蓄積されていて、効率よく開発できる体制が整っているのであれば、内製した方が効率的でしょう。一方、自社にITスキルがなかったり、人員が不足していたりする場合には、外注してシステム開発を行ってもらったほうが効率的です。

 

この判断がうまくいかないと余計なコストがかかってしまい、DX推進が尻すぼみで終わってしまうことが考えられます。

 

■まとめ

DXは生産性向上やビジネスチャンスを広げるうえで非常に有用な手段ですが、一方で多くの課題があります。体制構築などが難しい場合には、DX推進を専門とする開発会社に支援してもらうのも1つの手です。これらの課題や将来性を加味したうえで、自社に合った最適なプランを練るといいでしょう。

 

 

日向野 卓也

株式会社GeNEE

代表取締役社長

 

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