(※写真はイメージです/PIXTA)

鈴木邦成氏・中村康久氏の共著『シン・物流革命』より一部を抜粋・再編集し、巨大物流センターの需要が高まっているワケについてみていきます。

予想できなかった「アマゾンジャパンの物流センター」

ところがこれは、あくまでリアル店舗中心の商圏の常識である。

 

首都圏に物流センターを建てて首都圏の消費者のみを相手にすればよいというのならば、3000平方メートルで十分であったかもしれないが、ネット通販の物流センターは立地は首都圏であっても京阪神であっても、全国、あるいは東日本全域とか西日本全域というように、かなり広いエリアを網羅しなければならないのである。

 

つまり見かけの商圏は首都圏でも実質的な商圏は東日本全域、あるいは全国規模ということになってくるのである。しかも商品在庫は「めったに売れないが注文があったときに『ない』とはいえない商品」、すなわちロングテールである。必然的に物流センターは巨大化を続けていくことになる。

 

2000年代の初頭にアマゾンジャパンの物流センターが千葉県市川市に完成した。当時、業界ではそのあまりの大きさに度肝を抜かれ、大きな話題となった。しかしその後、アマゾンがさらに大きい物流センターを日本だけでも20拠点以上も開設するとは、だれも予想できなかったことである。

 

 

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鈴木 邦成

物流エコノミスト、日本大学教授(在庫・物流管理など担当)。博士(工学)(日本大学)。早稲田大学大学院修士課程修了。

日本ロジスティクスシステム学会理事、日本SCM協会専務理事、日本物流不動産学研究所アカデミックチェア。ユーピーアール株式会社の社外監査役も務める。

専門は、物流・ロジスティクス工学。

 

中村 康久

ユーピーアール株式会社・取締役常務執行役員・CTO、DX本部長。

NTT電気通信研究所、NTTドコモブラジル技術部長、ドコモUSA上級副社長、NTTドコモ理事、法人ビジネス戦略部担当部長を経て現職。

専門は通信工学。

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『シン・物流革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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