「老後の年3%の物価上昇」に耐えるための「投資」とは?手堅くお金を増やすため守るべき「3つのルール」のメリットと「絶対やってはいけないコト」

「老後の年3%の物価上昇」に耐えるための「投資」とは?手堅くお金を増やすため守るべき「3つのルール」のメリットと「絶対やってはいけないコト」
(※写真はイメージです/PIXTA)

退職金1,000万円を定期預金で持っていたとしても、10年後、今と同じ価値があるとはかぎりません。将来物価が上昇すれば、金額は変わらずともお金の価値が目減りします。本記事では、確定拠出年金アナリストで『役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』(ART NEXT刊)を監修した大江加代氏が、定年後に購買力を維持するのに有効な「投資」の方法について解説します。

購買力を維持する方法は「長期」「分散」「継続」投資

お金の価値が目減りすれば、モノやサービスを手に入れるためより多くのお金が必要になります。そうすると、資産の減少も加速してしまいます。資産の寿命を縮めないためには、インフレに耐えうる購買力を持つことが重要です。

 

たとえば、長期的に物価上昇率が3%であるとすれば、それを上回る年利3~5%で資産を運用できれば購買力が維持できます。

 

そのために投資という方法が有効です。

 

その具体的な方法は、投資信託の積み立てです。毎月投資信託を一定額買いつけて、積み立てていくだけ。あとはほったらかしでOKです。むずかしいことは何もありません。

 

投資信託を毎月一定額、定期的に買いつけていくと、価額が上げ下げしても、高いときは少ない口数、安いときは多くの口数を購入することができます。

 

結果として平均取得単価が下がるのです。つまり、積み立てだと、「安いときに買おう」といった買うタイミングを考える必要がなくなります。

 

次に初心者を悩ませる問題は、「何を買うか」ということ。投資信託にはいろいろな種類があります。たくさんありすぎて何を買っていいかさっぱりわからないというのはごもっともです。

 

何を買えばいいかわからない人は、まずは、世界中の株式市場に投資をする国際分散投資タイプの投資信託から始めてはいかがでしょうか。

 

経済成長の度合いは、国や地域によってばらつきがあります。個々を見れば、調子のいい国もあれば悪い国もあります。しかし、まるごと買ってしまえば、リスクが分散され、リターンも平均化されます。

 

大儲けはできませんが、購買力を維持する目的ならば、世界の経済成長とともに「ゆっくりお金を増やす」投資が向いています。

 

投資のような価格が変動する金融商品での資産形成の基本は「長期投資」「分散投資」「継続投資」といわれます。「ゆっくり」「少しずつ」「続ける」ことがリスクを抑えて資産を増やすことにつながります。

 

[図表1]は、国際分散型の投資信託に毎月1万円ずつ積み立てた場合の実績です。

 

[図表1]もっとも地味でオーソドックスな国際分散投資

 

10年で2.0倍、20年で2.8倍、30年で3.9倍にも増えています。大儲けではありませんが、この間の物価上昇をはるかに上回る結果を残しているのです。

 

◆60代でもつみたてNISAは活用できる

幸いなことに、多くの人が80代・90代まで生きることを考えれば、60代でもある程度の長期投資が可能です。投資信託を長く積み立てる場合は、税金や手数料などのコストが安いほうが有利です。

 

[図表2]iDeCoとつみたてNISAの違い

 

そこで活用したいのが「つみたてNISA」などの非課税口座です。2024年から始まる新しいNISAでも「つみたて投資枠」があります。iDeCoには加入できる年齢や要件がありますが、NISAは、今年利用できる「つみたてNISA」も2024年以降の新しいNISAの「つみたて投資枠」も、18歳以上ならば誰でも始められます。

 

iDeCoのように掛金が所得控除になるわけではありませんが、運用益に税金がかかりません。また、引き出しも自由です。

 

お金が必要なときは現金化しやすいのも、高齢期に使い勝手がいい制度です。

 

2024年以降の新しいNISAの「つみたて投資枠」は、「つみたてNISA」と同様に、購入できる投資信託が長期の積み立て投資に適した商品のみに厳選されています。税金以外のコスト面でも販売手数料が0円(ノーロード)で、信託報酬も安いなど、金融庁が定めた要件に適合する商品しか販売されていません。

 

もちろん、国際分散投資タイプの投資信託もありますので、調べてみてください。

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大江 加代

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