国内企業の99.7%を占める中小企業は、毎年4万件以上が倒産に追い込まれています。そんな中小企業に永続性を高める経営をアドバイスをする、経営コンサルタントの石原尚幸氏。なんでも、「なにから手を付ければいいかわからない」社長さんが結構多いと言います。その状態を打開する、「逆算経営」について解説します。
より具体的なゴールの設定からスタートする「逆算経営」
石原がおすすめし、顧問先でも導入しているのが理想の姿を先に決める「逆算経営」
通常は1年後、2年後、3年後と時系列でモノゴトを考えるのに対し、「逆算経営」では、10年後どうなりたいのか?と10年後のありたい姿を先に描きます
●10年後の売上はどれだけにするのか?
●10年後の活動エリアはどこか?
●10年後の拠点数はどれだけあるのか?
●10年後の社員数は何人にしたい?
●10年後の借入金はいくらに減らしたい?
●10年後のプライベートはどんな状態か?
などなど、自分がこうありたいと思う理想の姿を言語化していきます
10年後のありたい姿を描けば必然的に現実との「ギャップ」が生まれます。人はギャップを感じた瞬間に頭に「このギャップをどうしたら埋められるだろうか?」との疑問が浮かびます。そして、この質問を生み出すことこそが「逆算経営」を行う最大の目的です。
人はギャップがあると、それを埋めたくなる生き物です。これをお読みの志高いリーダーのあなたなら尚のこと、どうしたら理想と現実とのギャップを埋められるか? 頭が自動的に回転し出すはずです。こうなればしめたものです。
経営をしていて一番辛いのは、冒頭の社長のように「何をしたらよいかわからない」という状態です。取り組むべき課題が見えたのであれば、あとはその課題をどうすればクリアできるかに頭を集中させていくことができます。
今の時代、課題さえ明らかになれば、本でもネットでも調べればその課題をクリアするための方策はいくらでも出てきます。
「逆算経営」を行っていくことで、何から手を付けたらよいかわからず途方に暮れるという、もっともつらい状態を避けることができます。ぜひ御社でも導入してみてください。
石原尚幸
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
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