(写真はイメージです/PIXTA)

国際的な指標であるNY金先物は昨年秋以降、米物価上昇率の低下を背景に急上昇。また、国内金先物もNY金の上昇を受けて過去最高値(8129円)に近い水準で高止まりしています。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏が勢いづく金相場について解説します。

3. 金融市場(1月)の振り返りと予測表

10年国債利回り

1月の動き(↗) 月初0.4%台前半でスタートし、月末は0.4%台後半に。

月初、10年国債入札を控えた持ち高調整や、日銀によるさらなる緩和修正観測を受けて、5日に日銀の許容レンジ上限にあたる0.5%を付ける。中旬にかけては緩和修正を見込む投資家の国債売り圧力を日銀の国債買入れが吸収する形で0.5%付近での推移が続いたが、「日銀が金融緩和に伴う副作用を点検する」との報道が出た12日以降にはたびたび0.5%の節目を突破する動きがあった。その後、18日の日銀金融政策決定会合で金融政策が現状維持となったことを受けて売り方の買戻しが入り、しばらく0.4%前後での動きに。月終盤には再び日銀による緩和修正の思惑が高まり、0.4%台後半へと上昇。月末は0.5%に肉薄して終了した(図表13~16)

 

【図表13】【図表14】【図表15】【図表16】
【図表13】【図表14】【図表15】【図表16】

 

ドル円レート

1月の動き(↘) 月初132円付近でスタートし、月末は130円台半ばに。

月初、一進一退の推移となった後、好調な米経済指標を受けてFRBによる利上げ長期化観測が高まり、6日に133円台半ばを回復。しかし、その後は米雇用統計で賃金上昇率が鈍化したうえ、米物価上昇率の伸びが縮小したことを受けて利上げ長期化観測が後退、日銀による緩和修正観測も加わり、16日には127円台まで円高が進行した。下旬には、日銀の共通担保資金供給オペ実施に伴う国内金利の低下や米経済指標の改善を受けてドルがやや持ち直したものの、上値も重く、130円前後での推移に。月末も130円台半ばで終了した(図表17~18)

 

【図表17】【図表18】
【図表17】【図表18】

 

ユーロドルレート

1月の動き(↗) 月初1.06ドル台後半でスタートし、月末は1.08ドル台前半に。

月初、独物価上昇率の下振れによるECB利上げ観測の後退や、好調な米経済指標を受けて、6日に1.05ドル付近までユーロが売られたが、米雇用統計での賃金上昇率鈍化を受けて、9日には1.07ドル台に浮上。さらにガスの不足懸念の後退や価格の下落によってユーロ圏経済への懸念が緩和し、13日には1.08ドルに達した。その後はしばらく1.08ドル台での展開が続いたが、ユーロ圏の良好な経済指標やECBによる大幅利上げ継続観測によってユーロがさらに買われ、26日には1.09ドルに到達した。月末は持ち高調整が入り、1.08ドル台前半で終了した。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年2月3日に公開したレポートを転載したものです。

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