(写真はイメージです/PIXTA)

ウクライナ戦争や米中の対立、約40年ぶりのインフレなど、悲観のなかで始まった2023年の株式市場。しかし、株式会社武者リサーチ代表の武者陵司氏は「強気相場が育っている可能性」を指摘します。その根拠とは……詳しくみていきましょう。

米国株の「バリュエーション調整」は終わっている

株式バリュエーションから見て米国株式の割高感はまったくなくなっている。

 

ピークでは40倍弱まで高まったGAFAMのPERは25倍まで低下し、S&P500のPERも23倍から昨年10月に16倍弱まで低下した後、現在は18倍弱と過去平均のレンジに戻った。

 

図表11に見るFEDモデル(株式益回り=10年債利回り)に基づけば、4%の米国長期金利は25倍のPERが正当化できることを考えると、バリュエーション調整はほぼ完了したと言えるのではないか。

 

[図表11]米国株式PER等の割高感は完全になくなっている
[図表11]米国株式PER等の割高感は完全になくなっている

 

また市場心理は極端に悲観に振れている。世界株式市場は、心理、バリュエーション、需給から見て過度のネガティブバイアスを持っていることは否めないだろう。

 

米国株式バブル崩壊説を強く主張してきた多くの悲観論者の根拠は崩れているといえる。詳細は図表11~15を参照されたい。

 

[図表12]日米の株式時価総額の対名目GFP比
[図表12]日米の株式時価総額の対名目GFP比

 

[図表13]米国株式信用債務(margin debt)対S&P500時価総額比
[図表13]米国株式信用債務(margin debt)対S&P500時価総額比

 

[図表14]S&P500指数は200日移動平均線を1年ぶりで上回った→テクニカル反騰開始の条件
[図表14]S&P500指数は200日移動平均線を1年ぶりで上回った→テクニカル反騰開始の条件

 

[図表15]米国家計と企業の債務→調整され危機水準には程遠い
[図表15]米国家計と企業の債務→調整され危機水準には程遠い

 

 

武者 陵司

株式会社武者リサーチ

代表

 

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※本記事は、武者リサーチが2023年2月6日に公開したレポートを転載したものです。
※本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。

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