過去30年は「超ラッキーな30年」
[図表3]は、過去150年のS&P500の株価収益率(PER)の伸び率相当分(年率;【すぐ上】で見た実質株価の上昇率から、【最初】に見た実質1株利益の上昇率を差し引いたもの)を示しています。
すると、「過去30年のPERの上昇は、その前の120年と比べて、異例に高かった」ことがわかります。同時に、その前の120年は、PERの上昇・貢献は「ほぼゼロであった」こともわかります。
PER上昇の背景は、理論で考えれば、金利の低下です。
そこで[図表4]は、過去150年の米国10年国債利回りの動き(年率ではなく、30年間の変化幅)を示したものです。すると、「過去30年の金利低下は、異例に大幅であった」ことがわかります。
「次の30年」で、金利の低下はあるのか
そして、[図表5]が、過去150年の米国の長期金利の推移です。
短期金利も長期金利も下限に達しており、「もはや金利は低下しない」ということに多くの方が同意されると思います。
念押しをしておきますが、筆者は「金利が上がる」とは述べていません。「金利がこれ以上は下がらない」という、たったひとつの、しかし、確からしい仮定で、「過去30年のような資産価格の上昇は再現不可能であること」が示せます。
<<【画像】30年間、毎月1ドルずつ積み立て投資をした場合のシミュレーション>>
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】