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不動産投資には、アパートやマンション、商業用などの物件があり、またそのなかにも新築や中古、エリアや立地などをさまざまなバリエーションがあります。さらには、投資を行う人の目的(老後資金や節税、相続対策など)によって適切な物件が変わってきます。そこで今回、「医師が資産を守り増やすために適切な不動産」の選び方について、伊豫田誠FPが解説します。

新築・築浅物件と中古・築古物件のそれぞれの特徴

不動産投資には新築と中古がありますが、築年数で区切って、新築と中古を分けて考えると良いでしょう。

 

一般的に築5年未満の中古物件を築浅と言い、それ以降を通常の中古物件と考え、築30年以上を築古と言うケースが多いですが、明確な基準はありません。

 

新築と中古のメリットとデメリットは相対関係にあり、節税効果の場合メリットは新築のほうが高く、築年数が進むにつれて節税効果が低くなります。また、新築・築浅であれば物件の修繕等維持管理費用についても低くてすみます。

 

一方、中古・築古のメリットとしては、物件価格の下落ペースがなだらかであるという点や、物件取得に係る初期投資額を抑えられることから高い投資利回りを得やすいという点が挙げられます。

「医師」の物件選び

物件を選ぶ際、目的によってここまでのバリエーションを組み合わせて、自身にあった不動産投資から始めることがベターです。判断するには相対する両端を比較するとわかりやすいため、ここでは節税効果が高い地方都市で1棟物件(アパート・マンション)と、資産価値が高い東京23区内の駅近の区分マンションで考えてみます。

 

開業医の場合、病院の土地建物が借地借家もしくは自己所有なのか、開業資金の返済スケジュール等で、狙える物件の規模が変わってきますが、仮に自己所有の土地建物で開業資金の返済が終わっており、投資資金を1,000万円以上準備できる場合は、銀行融資を活用して総額1~5億円ほどの1棟物件(マンション・アパート)を購入できる可能性があります。

 

1棟アパートの場合は、地方都市の郊外に1棟1億円前後の新築物件を複数棟購入するケースが多く、1棟マンションの場合は地方都市の駅近に3~5億円程度の中古物件を1棟購入するケースが多いです。

 

どちらも毎年の経費を500万円近く計上できる場合があり、節税効果が期待できます。

 

たとえば、年収2,000万円の人の場合、所得税税率33~40%と住民税10%と合わせて合計43~50%の税率となりますが、仮に経費500万円を計上できる物件を購入した場合、毎年の節税額は215万~250万円となります。

 

大きい自己資金を投入しない場合は、都内の区分マンションが最適で、1部屋あたり頭金は10万円で購入できるケースが多いです。新築でも中古でも3,000万円ほどの物件なら5~10部屋ほど購入できる可能性があります。

 

区分マンションの場合、節税金額は多くは期待できませんが、資産価値は高く今後もインフレが進むようなら値上がりや売却益に期待でき、自己資金を少なく抑えたい方は区分マンションがベターでしょう。

 

他にも不動産投資に関して考えておきたい事項は多くあり、詳しくは各物件を取り扱う専門の不動産業者で慎重に確認することが必要です。

 

不動産投資は入口を間違えてしまうと、方向性を修正するには長い年月を必要とします。また、多額の借入れによる、不動産投資は、本業における金融機関からの資金調達にも影響を及ぼしてしまうこともあります。

 

専門の不動産業者に加え、中立的な立場でアドバイスをしてくれる、顧問税理士や、ファイナンシャルプランナー 等 に相談することも選択肢として有効です。

 

 

Medical LIVES/シャープファイナンス

FP事務所ストラット代表 伊豫田 誠

 

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本記事は、「医療と生きる人々が、生の情報で繋がる」をコンセプトにシャープファイナンス株式会社が運営する医療プラットフォーム『Medical LIVES』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。

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