
これから3月にかけ、多くの会社が決算期を迎えます。社長にとって「節税」は頭の痛い問題ですが、活用できる手段は年々限られてきています。特に、「一人社長」は経費にできる費目も限られているので切実です。そんななか、「節税」しながら個人の老後の資金を積み立てられる制度「企業型DC」がありますが、残念なことにあまり知られていません。本記事では、その概要を解説します。
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企業型DCの注意点
以上のように、企業型DCには手厚い税制優遇が与えられていますが、以下の3点については注意が必要です。
【企業型DCの注意点】
1. 運営コストがかかる
2. 早期リタイアの場合も60歳まで取り崩しができない
3. 個人に一定の投資リテラシーが求められる
◆注意点1|運営コストがかかる
第一に、運営管理手数料は会社で負担しなければなりません。また、社長以外の役員や従業員がいる場合、その入社・退職、掛金変更等の事務負担が生じます。
ただし、証券会社によっては、これらの負担を軽減してくれるところもあります。
◆注意点2|早期リタイアの場合も60歳まで取り崩しができない
第二に、早期リタイア等の場合も最短でも60歳まで取り崩しができないということです。
また、もし社長以外の役員・従業員がいて、それらの人々が転職した場合、以下のいずれかをしてもらうよう指示する必要があります。
・転職先に企業型DCの制度がある場合:6カ月以内に転職先の制度に移管する
・転職先に企業型DCの制度がない場合:個人型確定拠出年金(iDeCo)に切り替える
なお、もしも個人が6ヵ月以内にこれらの手続きを行わなかったら、自動的に「国民年金基金連合会」へと移管され、その後は運用がストップします。しかも、移管時に手数料4,348円がかかり、その後も、毎月52円の手数料(年間合計624円)がかかり続けます。
◆注意点3|個人に一定の投資リテラシーが求められる
第三に、個人に一定の投資リテラシーが求められます。また、他の役員・従業員がいる場合はそれらの人への投資教育も必要です。
特に、淡々と一定額を長期間にわたって毎月積み立て続けることのメリットがいかに大きいか、イメージだけでも掴まないと、短期的な騰落のたびに一喜一憂してしまうことになり、心臓によくありません。
ただし、証券会社の多くが投資教育の普及に力を入れており、講師を派遣してくれるサービス等を行っています。
まとめ
企業型DCは、掛金拠出段階、運用段階、受取段階のすべての段階で、国による手厚い税制優遇を受けることができる制度です。
厚生年金に入っていれば、「一人社長」でも活用できます。政府・与党がかたくなに増税路線をひた走るなか、国が制度として「節税」を認めている手段はきわめて貴重なので、特に「一人社長」の会社にとっては積極的な活用が推奨されます。
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