(※写真はイメージです/PIXTA)

イノベーションの芽は、前例主義で叩かれ、単純な答えを要求されることで、いとも簡単に摘まれます。アイデアの芽を摘む組織体質のままでは、いくら方法論を学んでも無駄なのです。IT&キャリアコンサルタントの谷藤賢一氏が著書『ペヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

イノベーションの芽は簡単に潰される

■時間内に結論を出すことにこだわる弊害を乗り越える

▶某社 会議室にて

部下「基本Yesですが条件によってはNoの場合もありますね。」

 

上司「だからどっちだよ。もう時間がないな。そろそろ多数決を取るぞ!」

 

これはの論理的思考でも触れました。論理的に考えていけば、それほど時間をかけなくても答えは出ます。

 

しかし、時間内に結論を出すことが使命だと信じている人は結構いますよね。

 

ケチった数十分はその仕事のイニシャルコストをわずかに節約したに過ぎません。無理やり導き出された結論によるその後の損害はランニングコストに反映されます。その累積はケチった数十分をはるかに超えるのです。それなら会議を延長してでも結論を急ぐべきではなかったのです。

 

また、どうしても白黒つけたがる人っていますよね。条件によっては変わるという意見が出ているのであれば、その条件をみんなで吟味すべきなのです。そこにこそヒントや答え、新しいアイデアの種が眠っているからです。

 

もし、あなたが白黒つけたい派であれば、条件付きの話が飛び出したら、これからは面倒くさがらずに掘り下げてみてください。

 

きっと良い発見がありますから。

▶某社 会議室にて

部下「基本Yesですが条件によってはNoの場合もありますね。」

 

上司「その条件ってやつを具体的に聞かせてくれ。」

 

部下「聞いてくれますか! いっしょに考えてください。」

 

■イノベーションの芽は弱い

 

世の中に変革をもたらしたイノベーションも、最初はか弱い芽であったことが多いものです。

 

イノベーションの芽は、バカにされ、前例主義で叩かれ、単純な答えを要求されることで、いとも簡単に摘まれます。

 

せっかく出た芽を大きく育てるには、組織としてそれを認める空気が大前提として必要です。アイデアの芽を摘む組織体質のままでは、いくら方法論を学んでも無駄なのです。

 

もし、あなたがリーダーや管理者の立場なら、まずは組織の空気づくりをしてください。発言が許容される空気が大切です。

 

谷藤 賢一
株式会社C60代表取締役

 

 

本連載は谷藤賢一氏の著書『ペヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

ペヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力

ペヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力

谷藤 賢一

日本能率協会マネジメントセンター

なぜペヤングソースやきそばが問題解決につながるのでしょうか。それは、カップやきそばを選び、作り、食べるまでのプロセスを分析すると、問題解決の手法をとてもわかりやすく説明することができるからです。 本書では、露地…

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