(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円は一時130円を割り込んだものの、その後135円付近まで戻すなど方向感のない動きをみせました。こうしたなか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、今週のレンジを「1ドル130円~135円」と予想したうえで、このレンジを上下どちらかに抜けた場合はトレンドが発生する可能性があると指摘します。吉田氏の予想レンジの根拠と、足元の米ドル/円の動きの背景について、みていきましょう。

「米ドル安の再燃」の可能性はあるのか

ここまで、先週の動きのなかで米ドルが買い戻された背景について確認してきました。ただ、6日のISM非製造業景気指数の悪化を主なきっかけに、米ドルは急落となりました。そこで再び米ドル安拡大に向かうかについて考えて見たいと思います。

 

ISM非製造業景気指数の悪化を受けて、米金利は10年債利回りが前日終値比0.15%もの大幅な低下となり、またNYダウは700米ドルの大幅高となりました。米景気後退への懸念から、FRB利上げ姿勢が緩むことを期待した動きと考えられます。

 

ただ4日に公表された2022年12月FOMC議事録では、「2023年中の利下げを予想する参加者はいなかった」、「経験的には、金融政策を時期尚早に緩めるのは慎重になるべき」とした上で、「市場が誤った判断により株高、金利低下となることは、FOMCによるインフレ是正への努力を阻害する」とまで述べていました。

 

以上のように見ると、6日のISM非製造業景気指数を受けた株高、米金利低下といった動きも、この間続いてきたFOMCとの「大いなる認識ギャップ」による可能性が高いのではないでしょうか。

 

今週は、注目のインフレ指標、米12月CPI発表が予定されており、前年比上昇率は前回の7.1%から6.6%へ一段と低下すると予想されていますが、FOMCとの認識ギャップのなかで予想通りインフレ是正が進んでも、米金利の低下、それに伴う米ドル下落には自ずと限度があるのではないでしょうか。

 

それでも、過去2ヵ月、米ドル/円は米ドル反発の限度が確認されると、一段安に向かうパターンが繰り返されてきました(図表1参照)。その意味では、年末年始から続いている130~135円のレンジを抜けた方向に当面のトレンドが出る可能性は高いでしょう。

 

以上を踏まえた上で、今週の米ドル/円については、まさに130~135円中心での展開を予想したいと思います。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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