(※画像はイメージです/PIXTA)

2023年度の所得税・住民税の確定申告の時期が近づいてきました。サラリーマンの方は、既に年末調整で一部の所得控除を利用していることと思いますが、確定申告することにより受けられる控除があります。本記事では、サラリーマンの方が確定申告するメリットがある3つの所得控除(一部、税額控除を含む)について解説します。

3. 寄附金控除

寄付金控除は、所得控除の形をとる寄付金控除と、税額控除または還付の形をとる「ふるさと納税」に分かれます。

 

◆寄付金控除(所得控除)

寄付金控除は、国、地方公共団体、「特定公益増進法人」等に対し、「特定寄附金」を支出した場合に受けることができる控除の制度です。

 

「特定公益増進法人」には、独立行政法人、一部の地方独立行政法人、自動車安全運転センター、司法支援センター、私学振興・共済事業団、赤十字社、公益社団法人・財団法人、学校・専修学校・各種学校を設置する学校法人、社会福祉法人、更生保護法人が含まれます。

 

ただし、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄付金、公益社団法人等に対する寄附金等のうち一定のものについては、寄付金控除の代わりに「税額控除」を選択することができます。

 

◆ふるさと納税(税額控除または還付)

「ふるさと納税」の制度は、自分が好きな地方自治体(都道府県、市区町村)を選んで「寄付」をした場合に、「寄付金額-2,000円」の額が「税額控除」あるいは「還付」によって戻ってくる制度です。

 

「税額控除」といっても、いわゆる「節税」ではありません。なぜなら、寄付金額は税金と別に払っており、「寄付金額-2,000円」が返ってくるだけだからです。2,000円は自己負担だし、「住民税の前払い」でしかありません。

 

ただし、自治体によっては返礼品を受け取ることができます。したがって、「返礼品の市場価格-2,000円」の分について得をする計算になります。それを広い意味で「節税」ということもできなくはありません。

 

なお、ふるさと納税以外に確定申告を行う必要がなければ、確定申告ではなく「ワンストップ特例」を利用し、住民税の税額控除を受けることができます。

 

これは、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、寄付先の自治体に郵送するだけなので、簡単です。

 

ふるさと納税の基本的なしくみと問題点については「『ふるさと納税』は結局いくら節税できる?問題点とともに解説」をご覧ください。

過去5年間で未申告のものは「還付」を受けられることも

ここまでご覧になって、過去の年度で確定申告をしていないものがあることに気づいて「損した!」と感じている方がいらっしゃるかもしれません。その場合、領収書等の証拠が残っているのであれば、5年前まで遡って「還付申告」をすることができます。

 

国税庁HPで「更正の請求書」を簡単に作成できますので、それで申告を行います。

まとめ

サラリーマンが確定申告を行うことで受けられる「雑損控除」「医療費控除」「寄付金控除」の3類型の所得控除(一部、税額控除も含む)について解説しました。

 

制度の是非はさておき、要件をみたすのであれば、無駄な税金の払い損にならないために、確定申告をして控除を受けることをおすすめします。

 

また、過去の年度で申告していない分についても、支出を証明する資料があれば、5年前までさかのぼって「還付申告」をすることができます。

 

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