(※写真はイメージです/PIXTA)

スマートフォン等を使った盗撮行為の全国の検挙件数は、ここ数年で急増傾向にあります。ごく普通の勤め人であっても、日常のストレスを発散させるためなどの理由で、常習化しているケースもあるようです。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、盗撮事件について村山大基弁護士に解説していただきました。

 

被害者との示談について

(1)盗撮被害者について

被害者の方は、精神的に大きな苦痛を受けているほか、取調べの対応など、時間も取られています。

 

そういった損害に対して、謝罪や、損害賠償を申し出て、いわゆる示談交渉を行うことがあります。

 

ここは被害者の方のお気持ちも絡むので一概には言えませんが、大まかに①示談等は一切したくない、とにかく重く処罰してほしい、という場合や、②許せない気持ちはもちろんあるが、損害賠償については本人に責任を取らせる意味もあるので受ける、という場合が多い印象です。

 

弁護士が介入する場合、盗撮した本人との交渉・接触は嫌がられることがほとんどですので、弁護士を通じて示談交渉を提案することが多いです。

 

(2)建物管理者との関係について

建物の管理者としては、「盗撮目的での建物への立入り」はもちろん許可していません。

 

そのため、盗撮(迷惑行為防止条例違反など)とは別に、「建造物侵入」という罪にも同時に該当することになります。建物管理者とも、示談交渉を行うことがあります。

 

(3)示談の影響について

被害者に対して損害賠償を行なっていることや、(ケースにより)被害者から、刑事処罰は求めない等の「許す」旨の示談ができたことは、処分を決める上でプラスに考慮されます。例えば、初犯である場合、示談ができたことも考慮して、起訴猶予(正式裁判にならず、罰金前科もつかない)になる、などです。

 

もちろん、示談できたから絶対処罰されないという保証はありませんが、示談できていることを考慮して処分を決めます。

 

医師による診察、家族の監督など

(1)医師の診察について

盗撮について、依存症的というか、自分だけではやめるのが難しいような場合、医師の診察を受け、その結果や、診察を踏まえた再犯防止の取り組みなどを、捜査機関や裁判所に提出することがあります。

 

刑事事件そのものの処分決定に対する影響もありますが、今後同じことを繰り返さないように、専門家の力を借りることが必要なケースも少なくありません。

 

やめられずに同種の罪を繰り返していくとどんどん処罰が重くなっていくので、適宜早めに専門家の力を借りることも重要です。

 

(2)家族等の監督について

事案によりますが、例えば家族が再犯防止について協力してくれるなどの場合、それについて一筆書いてもらうなど、今後の監督に向けた取り組みを提出することもあります。

おわりに

カメラ付きスマホが普及し、スマホ以外の小型カメラも容易に入手できる現在、盗撮事件は身近に存在します。

 

実際刑事事件になった場合の影響は甚大ですし、被害者に対しても大きなダメージを残します(損害賠償がなされても、一生嫌な記憶は残る)。

 

警察から捜査されているような場合、依頼するかどうかはともかくとして、早めに弁護士や、医師に相談に行ってみましょう。

 

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