(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年12月23日に閣議決定された「2023年度税制改正大綱」において、2023年3月末に期限を迎える「DX投資促進税制」が2025年3月まで延長されることになりました。DXが推進されなければ2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じるという「2025年の崖」に対処するためですが、反面、改正される要件もあります。本記事では延長に際しての改正点も踏まえ、制度の概要について解説します。

DX投資促進税制の適用要件

DX投資促進税制が対象とする事業者は、青色申告法人に限られます。

 

また、認定を受けるには、「デジタル要件(D要件)」「企業変革要件(X要件)」の両方をみたす必要があります。

 

2023年度税制改正大綱においては、主に以下の点について、改正の方針が示されました。

 

〈デジタル要件(D要件)に関する改正点〉

・「デジタル人材」の育成・確保等に関連する要件の新設

 

〈企業変革要件(X要件)に関する改正点〉

・生産性向上等の効果に関する要件の明確化・簡素化(後述の【X要件3】参照)

・「前向きな取り組み」の要件の廃止(後述の【X要件5】参照)

・海外売上高に関する要件の新設(後述の【X要件5】)

 

以下、改正の内容に触れながら、要件について解説します。

 

◆デジタル要件(D要件)

デジタル要件(D要件)は以下の通りです。

 

〈デジタル要件(D要件)〉

・データ連携・共有

・クラウド技術の活用

・情報処理推進機構(IPA)の「DX認定」

・「デジタル人材」の育成・確保等に関連する要件(※改正により新設)

 

「データ連携・共有」は、クラウド技術を活用して以下のデータと既存の内部データとを合わせて連携し、共有することをさします。

 

・グループ内外の事業者・個人の有するデータ

・センサー等を利用して新たに取得するデータ

 

また、「情報処理推進機構(IPA)の『DX認定』」は、「レガシー回避」と、サイバーセキュリティの確保のために要求されています。「レガシー」とは、古い技術で構築されたシステムをさします。レガシーシステムのせいで外部とのデータの連携・共有をすることができなくなってしまうので、新しいシステムに切り替えなければならないということです。

 

さらに、改正により、「デジタル人材」の育成・確保に関連する要件が新設されることになりました。詳細は決まっていませんが、DXを促進する「デジタル」が不足していることから、それをどのように育成・確保するのかについての計画等を明らかにするよう求められる可能性があります。

 

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