65歳以上の10人に1人が悩む「手のふるえ」…たった2泊3日で改善する最新の治療法【専門医が解説】

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65歳以上の10人に1人が悩む「手のふるえ」…たった2泊3日で改善する最新の治療法【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

65歳以上の約10人に1人が悩んでいるといわれる手のふるえ……「歳のせいだから」などと放置してしまいがちですが、進行すると日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。そのようななか、手のふるえを治療する「低侵襲手術(患者への身体的ダメージが少なくてすむ手術)」について、森山脳神経センター病院FUSセンター技師長の堀大樹先生が解説します。

FUSは「2~3時間」の手術で即時的効果

FUSは2泊3日(水曜日から金曜日)の入院が必要です。治療前日(水曜日)の14時に散髪を済ませてから入院して頂き、翌日木曜日にFUS治療を行います。治療翌日の金曜日午前中には退院できるので、短期間の入院のみですぐに普段の生活に戻れることもFUSの利点です。

 

FUS治療当日の朝、まず手術の準備として頭髪を完全剃毛します。超音波は空気によって乱反射を起こしてしまうことから、効率的に超音波を脳に集束させるために、頭髪の剃毛が重要です。

 

その後、頭部固定を行うために固定具(定位固定フレーム)を局所麻酔下で装着し、集束超音波を発生させるヘルメット状の「トランスデューサ」に頭部を挿入します。

 

FUSは手術中、即時的に効果が得られる画期的な手術であり、ふるえの改善を確認しながら手術を行うことから、全身麻酔は使用しません。局所麻酔のみで、目が覚めた状態のまま手術を行います[図表4]。

 

[図表4]FUS治療開始時のイメージ

 

次に頭部のMR画像を取得し、治療ターゲット(視床VIM核)の座標決定や、治療ターゲットがトランスデューサの中心に位置するようにトランスデューサの調整をします。

 

その後、段階的に集束超音波のエネルギーを上昇させ、「集束超音波照射→ふるえの確認→集束超音波の照射条件の調整→集束超音波照射」を5~7回繰り返します[図表5・6]。

 

[図表5]FUS治療中のイメージ➀

 

[図表6]FUS治療中のイメージ②

 

最終的に治療ターゲットの温度が55℃~60℃まで上昇し、ふるえが改善されたら手術は終了です。この一連の流れでおよそ2時間から3時間前後の手術と、手術時間も短くてすみます。

 

ふるえは早めの受診をおすすめします

ふるえ(本態性振戦)で悩んでいる方は非常に多く、65歳以上の日本人の10人に1人は罹患しているといわれているほか、若年者でも発症することがあります。

 

認知度はあまり高くない疾患ですが、たとえば字を書こうとしたときや食事をするとき、あるいは飲み物を飲もうとするときにふるえるなど日常生活に大きな支障をきたしていたら受診をおすすめします。

 

一般的にふるえの症状はゆるやかに進行しますが、高齢で発症した場合は症状の進行速度が速くなる場合が多く、進行とともにふるえの振幅も大きくなっていきます。罹患年数に応じて症状も重くなっていくことから、おかしいな? と感じたら早めに受診し治療を開始するようにしましょう。

 

 

堀 大樹

森山脳神経センター病院

FUSセンター 技師長

 

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