医師も知らない「むずむず脚症候群」と「レム睡眠行動障害」…原因と対処法【専門医が解説】

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医師も知らない「むずむず脚症候群」と「レム睡眠行動障害」…原因と対処法【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

寝ているときに脚に不快感があり、「動かさずにはいられない」感覚になった経験がある人もいるのではないでしょうか。また、自分自身や家族の寝言がひどかったり、寝ながら歩きだすことに悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。実は、それらには有効な治療法があるにもかかわらず「あまり知られていない」と、森山記念森山記念病院脳神経内科の澁谷聡先生はいいます。今回は、そんな「睡眠時トラブル」の原因と治療法についてみていきます。

寝言がひどい、暴れる…「レム睡眠行動障害」

「レム睡眠行動障害」になると、睡眠中以下のような症状を認めます。

 

・寝言をいう(場合によっては叫ぶ)

・手足を動かす

・起き上がって歩き出す

・隣で寝ている人を殴る

・暴れる

 

これは眠っているため本人にはあまり自覚がなく、家族やパートナーなど一緒に寝ている人が初めに気づくことが多いです。

 

具体的には、寝言が大きくストーリー性のあることを言ったり、笑ったりします。

 

また、睡眠中に手足を振ったり、ベッドに立って喋り出したりします。夢を見ているうちにベッドから落ち怪我をしたり、夢で出てきた邪魔なものを蹴飛ばした結果室内にあったテレビやタンス、壁などが壊れてしまうこともあります。となりで寝ている人の首を締めたり、夢遊病のようにベッドや布団から出て室外に出ようとしたり、実際に家の外に出たりします。

 

また、起きたあと夢の内容を簡単に思い出せることも特徴的です。夢の内容は、「口論する」「喧嘩をする」「追いかけられる」といった暴力的な内容や物騒なものが多く、上記の異常行動もこれに対応したものになっています。

 

「レム睡眠行動障害」の発症年齢は小学生~高齢者までと幅広いですが、頻度が高いのは50〜60代以上の高齢男性です。とはいえそれ以外の年代でも起こりますし、女性にも起こります。高齢者の「0.3〜0.5%」がレム睡眠行動障害であるといわれています。

 

多くが「明確な原因なし」だが…神経難病と関係していることも

多くは明確な原因なく発症にいたります。しかし、頭部の外傷や髄膜炎などの脳疾患やアルコール、睡眠不足、抗うつ薬と関連があることがあります。また、パーキンソン病やレビー小体型認知症、多発性硬化症などの神経難病、くも膜下出血、虚血性脳血管障害、脳血管性疾患などと関連しているケースもあります。

 

特に、「レビー小体型認知症」の初期症状として、レム睡眠行動障害が注目されています。レビー小体型認知症の診断基準である「示唆的特徴」に含まれているほどです。一方、アルツハイマー型認知症の初期症状として現れるケースは非常にまれです。

 

治療法…薬物療法なら「クロナゼパム」が有効

原因がはっきりしている場合は、それを除去するということが治療となります。

 

激しい異常行動がみられる場合には、患者さま自ら負傷することも多いため、立ち上がりがある場合にはベッドを低いものに交換したり、布団にするなどして転倒を予防します。自宅の状況は、患者さまの行動様式に応じて工夫が必要です。

 

薬物療法としては、多くのケースでベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬である「クロナゼパム」という薬が効果的です。そのほか、三環系抗うつ薬やメラトニン系の睡眠薬が有効な場合があります。

 

どちらも「薬」で治せる!疑わしい場合は神経内科を受診

『むずむず脚症候群』と『レム睡眠行動障害』は、どちらも一般の方はもちろん医師のあいだでもまだあまり知られていないため、自分の症状が病気であると気づきにくかったり、病院に行っても医師に理解してもらえないことも少なくありません。

 

しかし、正しく治療すれば上記に挙げた薬がかなり効果的ですので、自分やご家族が『むずむず脚症候群』や『レム睡眠行動障害』かもしれないと思ったら神経内科を受診してみてください。

 

 

澁谷 聡

社会医療法人社団森山医会 森山記念病院

内科医員【神経内科】

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。