(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

 

残す物と捨てる物に分ける

 

現在の持ち物を把握するために、一度全ての物を取り出します。その上で、まず「残す物」を次の基準で選別します。

 

  1. 現在使用中で、これからも生活する上で必要な物(例…食器類、衣類、靴)
  2. 現在使用していないが、自分の年齢に照らし使用する可能性のある物(例…礼服)
  3. 思い出の品で、自分の生存中は手元に残しておきたい物(例…写真)
  4. 誰かに残したい物(例…碁盤、ピアノ)
  5. 現時点で決められない物(例…専門書)
  6. 売却できると見込める物(例…英会話教材、切手・古銭等のコレクション品)

 

次に「捨てる物」を次の基準で選別します。

 

  1. 現在使用していない物で、これからも使用する可能性のない物(例…古着、靴)
  2. 家族が残されても困る物(例…利用価値も売却価値もない物、壊れている家電製品)

 

不要な物を処分する

 

上述した選別が済んだら、不要な物を処分します。処分の方法は、自治体のルールに従って一般ゴミ、粗大ゴミで処分したり、不用品回収業者に回収してもらいます。

 

デジタル情報を整理する

 

デジタル情報とは、パソコンやスマホなどのデジタル機器と、デジタル機器内やインターネット上に保存されている情報やデータなどのことです。

 

デジタル機器には、大量の個人情報やデータが入っています。デジタル機器内にある不要な情報、データやアカウントは、普段から放置しないで、適宜削除・解約しておくようにしましょう。

 

生前整理できない情報、データやアカウントは、機器や契約内容、各種IDとパスワードを一覧にまとめ、信頼できる家族と共有して確実に処分されるよう依頼しておく必要があります。

 

財産目録を作成する

 

自分が把握している財産を洗い出し、資産と負債を一覧に記載し、財産目録を作成します。

 

財産目録には、貴重品、高価な家財、負債などについて、数量や価格をまとめて記載しましょう。財産目録を作成しておけば、自分が生きている間に相続税を試算することができ、また相続をスムーズに進められることから、相続人の負担を小さくすることもできます。

 

相続させる物と生前贈与する物に分ける

 

家族に引き継がせたい物を選別します。その上で、死後に相続させる物と生前に贈与する物に分けます。全ての物を相続の対象とすると、相続財産額が相続税の非課税対象額を超えた場合、残された家族は相続税を支払わなければなりません。

 

そこで、生前贈与することにより相続税の節税ができます。

 

遺言書を作成する

 

遺言書は、自分の死後に資産を誰にどう分け与えたいかを書き記すものです。遺言書には法的拘束力があり、遺留分を侵害することは許されないものの、法定相続よりも遺言書の内容が優先されます。

 

なお、遺言書の作成には、厳格な方式が定められており、方式不備で無効になってしまうことがありますので注意しましょう。

 

次ページエンディングノートに「法的拘束力」はあるのか?

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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