(※写真はイメージです/PIXTA)

脳は、実際に見える映像と頭の中のイメージを区別しないという特徴を持っています。例えば、プレゼンのリハーサルをすれば、本番でのプレゼンで最高の集中力を発揮できるのです。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

イメージの力を使ってメンタルコントロール

■最高のプレゼンのための未来の記憶

 

▶(1)メンタルリハーサル

ここでは、本連載の裏テーマでもある、イメージの力を使ってメンタルコントロールをする方法を紹介します。

 

仕事でのプレゼンは、何度も経験してきた人なら慣れも出てくるとは思いますが、それでも初めて会う人の前で話すという状況では、何度やっても不安や緊張が付き物です。特に、その後の進展がかかっているような重要なプレゼンなどは、一発勝負だけに緊張は計り知れないものがあります。

 

本番で落ち着かなくなる要因の1つは、その場で処理しなければならない情報量が多すぎて注意散漫になることにあります。会場の環境や相手の反応、または、それに対する自分の感情などです。

 

事前に予行演習でもできればいいのですが、現実には無理です。しかし、物理的には無理でも、想像の世界では可能になります。それが「メンタルリハーサル」です。

 

脳は、実際に見える映像と頭の中のイメージを区別しないという特徴を持っています。要は、イメージの世界で予行演習することが、脳にとっては、まるで実際に経験したような刺激となりうるのです。具体的な方法を紹介します。

 

(2)メンタルリハーサルの方法

●メンタルリハーサル①リラックスする

 

プレゼンを例にとって説明します。まず、心身ともにリラックスした状態を作ります。リラックスできたら、本番でのイメージを頭に描いていきます。その映像は、まずは自分中心の視点からになります。

 

●メンタルリハーサル②イメージする

 

目を閉じ、プレゼン中の場面をイメージしていきます。プレゼン中の自分の姿勢・行動・声・視線の動き、そして、聴衆の反応が、すべてきちんとしているか、イメージの中で逐一チェックします。同時にこのとき、その場面で自分がどう感じるかといった感情も想像してください。

 

その感情体験が、本番でも落ち着いて状況に対処できる心構えを作ってくれます。

 

●メンタルリハーサル③第三者目線で見る

 

次に、視点を自分中心から第三者のものへと変えます。視点を聴衆の1人に置き換えて、プレゼンしている自分を客観的に観察する立場でイメージしていきます。

 

ムダな動きをしていないか、声量は十分か、わかりやすい説明になっているか、説得力はあるかなどです。

 

②③の自分視点・第三者視点の2つからリハーサルを行い、気付いたことが出てくれば、それをフィードバックしてプレゼンの完成度を高めていけばよいというわけです。

 

●メンタルリハーサル④最悪のケースを想定する

 

さらに万全を期すのであれば、「最悪体験」もイメージしておくとよいでしょう。本番で起こりうる最悪のケースを想定し、それをメンタルリハーサルの段階で経験しておくのです。

 

例えば、聴衆の前に立った瞬間、緊張で頭が真っ白になってしまったとか、途中でマイクが故障して音が出なくなってしまったとか、聴衆から非常に難しい質問を受けたとか、聴衆から厳しい要求をされたといった場面です。緊急事態に対して、イメージの中で落ち着いて対処できるようにしておくのです。これにより、さらに自信を持って本番に向かうことができるようになります。

 

メンタルリハーサルをしておくことで、本番でのプレゼンで最高の集中力を発揮できるのです。

 

池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター

 

 

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本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

池田 義博

日本能率協会マネジメントセンター

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