(写真はイメージです/PIXTA)

2022年の市場を振り返ると、日本株は一進一退が続き、総じて上値の重い展開となり、やや下落。ドル円は大幅な円安ドル高となりました。2023年はどうなるのでしょうか。株式ストラテジストのニッセイ基礎研究所、上野剛志氏の分析です。

金融市場(11月)の振り返りと予測表

10年国債利回り

11月の動き(→) 月初0.2%台半ばでスタートし、月末も0.2%台半ばに。

 

今月の長期金利も0.2%台半ばでの膠着した推移となった。月初は米長期金利が4%を上回って推移したことで金利上昇圧力の高い状況が続き、日銀の許容レンジ上限である0.25%付近での推移が継続。その後、米CPIの伸び率鈍化・予想比下振れを受けて米金利が大きく低下したことで、11日には0.2%台前半へとやや低下した。以降はしばらく0.25%を若干下回る水準での推移となったが、25日には東京都CPIの伸び率が拡大したことで日銀金融緩和の縮小観測が高まり、再び0.25%付近へと上昇。月末にかけて同水準での推移が続いた。

 

【図表20、21、22、23】日米長期金利の推移(直近1年間)/国際イールドカーブ変化/日経平均株価の推移(直近1年間)/主要国株価の騰落率(11月)
【図表20、21、22、23】日米長期金利の推移(直近1年間)/国際イールドカーブ変化/日経平均株価の推移(直近1年間)/主要国株価の騰落率(11月)

 

ドル円レート

11月の動き(↘) 月初148円台後半でスタートし、月末は138円台後半に。

 

月初、一進一退となった後、米雇用統計に労働需給の緩和を示す内容が含まれていたこと、米CPI・中間選挙を控えて持ち高調整的なドル売りが入ったことで、9日には145円台に下落。さらに、米CPIの伸びが予想よりも鈍化したことを受けて米利上げ鈍化観測に伴う大幅なドル売りが発生、14日には139円台を付けた。その後はFRB高官によるややタカ派的な発言が続いたほか、中国でのコロナ感染拡大に伴う安全資産としてのドル買いもあり、22日には142円台まで回復。

 

しかし、11月のFOMC議事要旨公表を受けて米利上げ鈍化が再び意識されたことで、24日には140円をあっさり割り込み139円付近に。月末にかけて利上げの行方を見定める地合いとなり、140円をやや下回る水準での推移が続いた。

 

【図表25、26】ドル円レートの推移(直近1年間)/ユーロドルレートの推移(直近1年間)
【図表25、26】ドル円レートの推移(直近1年間)/ユーロドルレートの推移(直近1年間)

 

ユーロドルレート

11月の動き(↗) 月初0.99ドル台半ばでスタートし、月末は1.03ドル台後半に。

 

月初、FOMC後のパウエル議長会見を受けてややドルが買われ、3日に0.97ドル台半ばに一旦下落したが、中国のゼロコロナ政策緩和期待に伴うリスク選好やECB利上げ観測を受けて持ち直し、8日には1ユーロ1ドルのパリティを回復。その後は米CPIの伸び率鈍化やブレイナードFRB副議長発言などを受けて米利上げ鈍化観測が高まり、15日には1.04ドル台へと上昇した。月の後半は米国の利上げや中国のゼロコロナ政策を巡る思惑が交錯して方向感を欠く展開となり、月末は1.03ドル台後半で終了した。

 

【図表27】金利・為替予測表(2022年12月2日現在)
【図表27】金利・為替予測表(2022年12月2日現在)

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年12月2日に公開したレポートを転載したものです。

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