投資のリスクは、投資対象とする資産の種類や地域によって異なります。ハイリターンを狙えば相対的にリスクも高くなるため、自分がどの程度まで耐えられるかよく検討する必要があります。一方で、全世界の株式を対象にする商品もあります。※本連載は、経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『キーワードでまるごとわかる 投資の教科書』(株式会社Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

【全世界株式型投資信託】全世界の株式に投資を行う!

世界中の株に分散投資ができる

全世界の株式に投資を行う投資信託です。1つの商品で、世界中の株式に分散投資できる点が魅力で、人気商品となっています。

 

投資信託のなかには、全世界の株式を投資対象とする「全世界株式型投資信託」(以下、全世界株式)という商品があります。

 

全世界株式とは、世界全体の株式の値動きを示す指数に連動することを目指す投資信託のことです。1つの商品でアメリカやヨーロッパ諸国などの先進国株式から、中国やインドなどの新興国株式まで、世界中の株式に投資できるため、比較的人気の高い商品です。

 

全世界株式の最大のメリットは、その分散性の高さといえるでしょう。世界中の地域に分散投資することで、ある地域の景気が悪かったとしても、他の景気の良い地域でカバーすることができるため、比較的ローリスクでの運用を期待できます。投資ビギナーでも安心して活用できる投資信託の1つといえるでしょう。

 

全世界株式の代表的な商品の1つに、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」があります。これは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するリターンを目指す投資信託で、主として先進国ならびに新興国の株式等へ投資を行います。幅広い分散投資を実現できることや、0.1%程度という信託報酬の低さも魅力の商品です。

 

下記の図表2は、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の地域別構成比率を表しています。これを見ると、構成比率の約60%がアメリカで、先進国が88%を占めています。

 

よって、この商品の投資対象は主に先進国株式ということになります。一方で、新興国・地域株式が12%含まれていますので、一般的な先進国株式型よりも高い成長力が期待できます。先進国に偏っていない分、リスク分散の効果も期待できるでしょう。

 

[図表2]

 

 ★Point★ 

□ 幅広い地域に分散投資することで、リスク分散の効果がある

□ ローリスクで運用できるため、ビギナーも投資しやすい

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

酒井 富士子

学研プラス

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