(写真はイメージです/PIXTA)

家族が亡くなると、役所への書類提出や相続状況の確認、税金の申告など、さまざまな手続きが降りかかります。本記事では相続発生後の手続きの進め方について、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が詳しく解説します。

相続財産をわける「遺産分割協議」とは? 

亡くなった方の財産は、いったん相続人全員が一緒に所有している共有の状態となります。しかし、共有のままの財産を動かすためにはいちいち全員の同意が必要となり、非常に大変です。共有となってしまった遺産を正式に分けるためには、「遺産分割協議」が必要となります。

 

遺産分割協議とは?

「遺産分割協議」とは、相続人全員で話し合いをして、誰がどの遺産をもらうのかを決めることを指します。たとえば、「自宅の土地建物は妻が相続して、A銀行の預金は長男が相続して、B銀行の預金とC証券会社に預けている株式は長女が相続しよう」といった形です。

 

遺産分割協議には、相続人全員が参加する必要があります。ただし、必ずしも一堂に会して話し合いをすべきということではありません。 話し合いさえまとまるのであれば、電話や郵送で話し合ってもいいのです。最近では、オンライン会議のツールもあるので、遠方の場合にはこうしたツールを活用してもいいでしょう。

 

法定相続分どおりにわける必要がある?

遺産分割協議についてのよくある誤解の1つに、「必ず法定相続分どおりにわけなければならない」というものがあります。 しかし、必ずしも法定相続分でわけなければならないわけではありません。

 

■「法定相続分」とは?

「法定相続分」とは、民法という法律で決まった相続での取り分です。 法定相続分は、次のように定められています。

 

[図表1]法定相続分

 

同じ順位の人が複数いる場合には、その人たちで等分をします。 たとえば、法定相続人が妻と長男、長女、二男の3名の子である場合の法定相続分は、次のとおりです。

 

・妻:2分の1

・長男:2分の1×3分の1=6分の1

・長女:2分の1×3分の1=6分の1

・二男:2分の1×3分の1=6分の1

 

また、代襲相続が発生している場合、代襲者の法定相続分は代襲された人の法定相続分を等分します。たとえば、上の例で長男が先に亡くなっており、長男の2名の子(被相続人の孫)が代襲して相続人となる場合の法定相続分は、次のとおりです。

 

・妻:2分の1

・長男の子1:2分の1×3分の1×2分の1=12分の1

・長男の子2:2分の1×3分の1×2分の1=12分の1

・長女:2分の1×3分の1=6分の1

・二男:2分の1×3分の1=6分の1

 

法定相続分は上記のとおりですが、必ずしも法定相続分で遺産をわけなければならないわけではありません。法定相続人全員が同意するのであれば、法定相続分と違うわけ方をしてもいいのです。

 

たとえば、妻と長男、長女、二男が法定相続人であったとしても、全員が同意するのであれば、妻が全財産を相続して3人の子は一切相続しなくても構いません。長男と長女のみが相続して他の法定相続人が一切相続しない内容や、長男が財産の大半を占める自宅不動産を相続して他の相続人は預貯金を均等にわける内容など、自由な内容で分割することができます。

 

ただし、当人同士で話し合いがまとまらず裁判となった場合には、法定相続分を目安としたわけ方で、裁判所が決断を下します。つまり、妻も長男も長女も二男も「自分が全財産をもらいたい」と主張した場合には、結局のところ法定相続分で決着がつくことになるのです。こうしたことから、法定相続分はあくまでも話し合いがまとまらない場合にそれぞれの法定相続人が最大限主張できる取り分のことだと考えておくといいでしょう。

 

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